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『死霊の牙』 狼男がやってくる

B000FCUY0Y.jpg『死霊の牙』(1985) SILVER BULLET 90分 アメリカ

監督:ダニエル・アティアス 製作:マーサ・シューマカー 原作:スティーヴン・キング 脚本:スティーヴン・キング 撮影:アルマンド・ナンヌッツィ 特殊効果:カルロ・ランバルディ 音楽:ジェイ・チャタウェイ
出演:コリー・ハイム、ゲイリー・ビューシイ、ミーガン・フォローズ、エヴェレット・マッギル、テリー・オクィン、ロビン・グローヴス、レオン・ラッサム、ビル・スミトロヴィッチ

 1980年代前半に狼男や狼に関する映画がちょっとしたブームになった。
 太古から生き延びてきた伝説の狼の恐怖を描いた『ウルフェン』(1981)、ロブ・ボッティンによる狼男へのリアルな変身シーンが話題になった『ハウリング』。そしてCGを使わない狼男への変身シーンでは未だにこいつを超える作品はなく、特殊メイクのリック・ベーカーにアカデミー賞をもたらした『狼男アメリカン』(1981)。
 こうしてみると、どれも1981年作品だったのか。
 ゾンビ映画にはフォロアーが多く出てきて、特にイタリアゾンビなど傑作駄作を含めてかなりな数が製作されたが、狼男物はこれといった大きなブームにもならずに消え去った。その原因としては、ゾンビの特殊メイクが比較的簡単で、端役のゾンビは単にマスクを被せておくだけでも良いのに対し、狼男物は見せ場の変身シーンで高度な特殊メイク・特殊撮影技術が要求されるため、簡単に二番煎じが出来なかっただろう。

 それから4年。『死霊の牙』が制作された。邦題が『死霊の牙』、原題が『SILVER BULLET(銀の弾丸)』。どこをどう考えても狼男物だ。
 主人公の車椅子に乗った少年マーティーはコリー・ハイム。いたなぁコリー・ハイム。この車椅子は電動ならぬ小型エンジン付きでその名も『シルバー・バレット』、それにあれこれ改造を施すのが叔父のレッドを演ずるのがゲイリー・ビューシイ。薬物やアルコール中毒から抜け出して復帰してきた頃の作品で、『ビッグ・ウェンズデー』の頃と比べるとボテッと太っているがクセのある芝居とセリフ回しでやはり格好いい。
 舞台は例によってアメリカの田舎町。そこで満月の夜になると獣に八つ裂きにされたような連続殺人が発生するようになる。人びとを襲っているのはもちろん狼男なのだが、その正体はちょっと意外だった。

 狼男から人間への逆変身シーンが特殊撮影で映し出される。それなりではあるが、せいぜい劣化版『狼男アメリカン』。低予算だからと言い訳するかも知れないが、『狼男アメリカン』もあまり金がかかった映画ではない。SFX担当である『E.T.』や『REX恐竜物語』のカルロ・ランバルディの力量がはっきり現れている。

 車椅子が電動ではなくエンジン搭載なのは当時のバッテリーでは実用的ではなかったからだろう。
 教会や自宅にも車椅子用のスロープがあり、二階に昇る階段にはリフトも着いていてバリヤフリー化はかなり万全だ。
 マーティーが車椅子に乗った障害者であることがあまり活かされていないのが残念。逃げるのにちょっとした段差をなかなか乗り越えられなくて、後ろからは狼男が迫ってくる、なんてのはありがちか?
 レッドは甥っ子たちの狼男話を信じてはいないが、とりあえず頼まれた銀の銃弾を用意して、寝ずの番を付き合う。女癖が悪くて酒好きだが良い伯父さんだ。

 ラストは「これで終わり?」なあっけなさ。まぁ子供のロケット花火で片目を失明してしまう程度の狼男だからな。満月の力で回復させろよ。
結論:人に向けてロケット花火を発射してはいけません。

 原作のマーティーはハードカバーなのだが、児童書並みの活字の大きさで、文章量は少ないのに高い。そのため買っておらず読んでいない。
 スティーヴン・キングはこれまでに『クリープショー』などオムニバス短編の脚本は書いてきたが、長編映画の脚本はこれが初めてなはず。

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コメント (2)

いし:

毎日映画見てるんですか?
すごいですね!

東森時音:

いしさん

新作を映画館に観に行ってるわけではなく、旧作をレンタルかスカパー!で観ているだけですし、趣味ですからひたすら楽しんでるだけです。
独身の一人暮らしでテレビを見ない人間なので、他にやることがないってのもありますが。・・・さびしいなぁ。

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