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『クジョー』 飼い犬には狂犬病予防接種を忘れずに

B00005G0ON.jpg『クジョー』(1983) CUJO 93分 アメリカ

監督:ルイス・ティーグ 製作:ダニエル・H・ブラット、ロバート・B・シンガー 原作:スティーヴン・キング 脚本:ドン・カーロス・ダナウェイ、ローレンス・キュリア 撮影:ヤン・デ・ボン 音楽:チャールズ・バーンスタイン
出演:ディー・ウォーレス、ダニー・ピンタウロ、エド・ローター、ダニエル・ヒュー=ケリー、クリストファー・ストーン

 『デッドゾーン』『クリスティーン』はすでに書いているのでそちらを参照してもらうとして、製作年度順で行くと今回はこの『クジョー』(1983)となる。

 原作は新潮文庫から発刊されている『クージョ』。映画は『クジョー』だから「ー」の位置が違う。原題はCUJOで映画内の登場人物の発音だと「クゥジョー」って感じに聞こえる。『クージョ』と『クジョー』のどちらに聞こえるかと言われると、まぁ『クジョー』かなと。
 原作の翻訳版が出版された方が先で、原文には発音記号が付いているわけではないから、翻訳者などが『クージョ』と解釈したのだろう。映画の方は先ほど言ったとおり登場人物が『クジョー』っぽい発音なので『クジョー』としたのだろうか。
 でも実際の所は、『クージョ』よりも『クジョー』の方がホラーっぽいから変更したんじゃないかなと妄想したりする。
 原作版から映画では『クジョー』に変更になっていることで、「分かりにくいじゃないか」と映画会社に苦情(クジョー)の電話が何本もかかってきたという噂があるかないかは知らない。

 大雑把に言ってしまうと、主人公の母とまだ幼い息子を狂犬病に罹ったセントバーナードが襲い、故障で立ち往生した乗用車の中に立てこもるといった話。
 これまでにサメや熊、大蛇などが襲ってくる動物系ホラーがあったが、それが今回は犬になった。
 監督のルイス・ティーグは『アリゲーター』(1980)を撮った人だから適任者とも言える。今回も低予算かつ難しい題材を手堅くまとめ上げている。
 今回、スタッフ名を調べていて気がついたのだが撮影監督がヤン・デ・ボン。言われてみれば冒頭のクジョーがウサギを追うシーンや、狭い車の中を中心からぐるりと何度も360度回転するシーンなど興味をひく画面が印象に残る。さすが名撮影監督として鳴らした人だ。監督としては基本的にアレだが。

 母息子対セントバーナードが基本だが、母が浮気をしていたことが夫にばれたばかりだったり、息子が日にさらされて窓も少ししか開けられない車の中で脱水症状と熱中症になっていくなど、様々な要因からくる心理ドラマが原作の面白いところ。車に立てこもっている間にあれこれ考え、悩み苦しみ、時には勇気を奮い起こす。人間だけではなく、クジョー視点からの心理描写もあるぐらいだ。
 映画は小説やコミック、演劇などと比べると心理描写が難しいメディアなので、その辺りがばっさり切られている。さらに、救いようのないラストも映画向きに変更されていることもあってか原作ファンの評価は辛めなようだ。

 限られた場所と登場人物を使って一本の作品に仕上げた手腕は評価されていいだろう。これをさらに極端にしたのが『オープン・ウォーター』(2004)だろうか。
 クジョーの演技も上手い。犬とアニマルトレーナーに拍手を。最初はお人好しな顔つきをしていたクジョーが狂犬病が進行していくと共に泥や埃で汚れて怖ろしい顔つきになっていく。
 しかしセントバーナードはやはりデカい。体格の良い自動車修理工(エド・ローター)に襲いかかるシーンでもデカい。ここでクジョーの大きさが描かれることで、女性や小さな子がそのクジョーを相手にしなければならない怖ろしさが強調されている。

 狂犬病予防接種が行われる4月もそろそろ近くなってきた。犬を飼っている方は忘れずに予防接種を受けさせましょう。
 オレも一匹飼っているので4月になったら獣医に連れて行かねば。フィラリア予防薬の季節もなんだかんだであっという間に来るんだろうな。
 犬は注射が痛いだろうが、こっちは財布が痛い。でも好きで飼ってるんだからもちろん飼い主の義務だ。

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