『遊星からの物体X』(1982) THE THING 109分 アメリカ
監督:ジョン・カーペンター 製作:デヴィッド・フォスター、ローレンス・ターマン、 ラリー・フランコ 原作:ジョン・W・キャンベル・Jr 脚本:ビル・ランカスター 撮影:ディーン・カンディ 特撮:アルバート・ホイットロック 特殊効果:ロブ・ボッティン 音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:カート・ラッセル、A・ウィルフォード・ブリムリー、リチャード・ダイサート、ドナルド・モファット、T・K・カーター、デヴィッド・クレノン、キース・デヴィッド、チャールズ・ハラハン、ピーター・マローニー、リチャード・メイサー、ジョエル・ポリス、トーマス・G・ウェイツ、ノーバート・ウェイサー、ラリー・フランコ
雪原の上を一機のヘリコプターが危険なまでの低空飛行をしている。
その下を走っているのは一匹のハスキー犬。そしてヘリコプターの乗員はライフルでそのハスキー犬を半ば乱射状態で狙い撃っている。
たかが犬に何故そこまで必死になっているのか。それはその犬がアメリカ南極越冬基地に逃げ込んだ後で次第に明らかになってくる。
オレが初めて映画館で観たジョン・カーペンター作品。いきなりこんな物を観せられた日には夢にも見ますわ。いや、観せられたというか観に行ったんだけど。
おそらくもっとも有名なカーペンター作品なので観た人も多いと思うが、他の生物を乗っ取ってしまう「THE THING(物体X)」が本性を現したときのSFXの怖ろしいこと。
変形前の犬や人間の印象が微妙に残っているのがまた気味が悪い。
と怖がっていたのも昔の話で、今では大笑いしながら観ているのだから困ったものだ。頭にカニ状の足が生えてカサカサと逃げていくシーンは最高。
逆に、物体Xに乗っ取られていないかをテストするために血を採るシーンで、メスで指の先を切るシーンでゾッとしていたりする。物体Xに出会う機会はまずないだろうが、怪我をすることはあるだろうしな。
南極の長い長い冬に入り、無線やヘリコプター、雪上車は錯乱した隊員によって破壊されてしまった。
隊員の誰かが物体Xに乗っ取られている可能性がある。それは一人なのか二人なのか。そして一体誰なのか。閉鎖空間が疑心暗鬼で満たされていき、パニックにおちいる者も出てくる。
この辺りの心理描写があまり深く描かれていなくて、多少残念である。
「あいつは乗っ取られている」と密告したり、自分がすでに乗っ取られたと思い込んで自殺するなど極限状態での人間性を出しても良かったのではないだろうか。
回りの人間のうち誰を信用して良いのか、そういえばこいつの言動がいつもとちょっと違うがひょっとしたら乗っ取られているのではないか。さっきしばらく姿を見なかったが、その間に乗っ取られたのではないか。そういった方向性もあったと思うのだが、カーペンターは前面に出すことは避けたようだ。
ただし、ラストに生き残った二人の会話シーンからも分かるように裏ではしっかりと描いている。
音楽がエンニオ・モリコーネなのに、何故だかカーペンター節になっている不思議。
南極観測基地に、何故だか火炎放射器がいくつもある不思議。
まぁ、気にするな。
『遊星からの物体X』も再映画化の話が進行中だとか。気になるのは隊員の中に女性を入れてしまうんじゃないかということ。当然、主人公とのロマンスがあって、でも最終的にはヒロインは乗っ取られてしまって・・・頼む、それは止めてくれよ。
男ばかりの殺伐さが重要なんだから。