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『要塞警察』 廃ビルでの攻防

B00005L89T.jpg『要塞警察』(1976) ASSAULT ON PRECINCT 13 90分 アメリカ

監督:ジョン・カーペンター 製作:J・S・カプラン 製作総指揮:ジョセフ・カウフマン 脚本:ジョン・カーペンター 撮影:ダグラス・ナップ 美術監督:トミー・ウォーレス 編集:ジョン・T・チャンス(ジョン・カーペンター) 音楽:ジョン・カーペンター
出演:オースティン・ストーカー、ダーウィン・ジョストン、ローリー・ジマー、マーティン・ウェスト、トニー・バートン、ナンシー・ルーミス、キム・リチャーズ、ヘンリー・ブランドン、チャールズ・サイファーズ

 都市開発による移転作業中のため最低限の人員しかいない警察署に中年男性が逃げ込んでくる。
 通りでアイスクリームを買っていた娘がストリートギャングに意味なく殺され、連中の一人を倒したため追われているのだ。
 人気のない街で回りをすっかり敵に囲まれてしまった。電話も使用不可能となり救助を呼ぶことも出来ない。
 必死の抵抗を続ける警官たちは、留置場に収容されていた凶悪犯ナポレオンの手も借りて圧倒的多数の敵を相手に戦いに挑む。

 一言も口をきかず、淡々と迫ってくるストリートギャングが怖ろしい。ハワード・ホークスの『リオ・ブラボー』に強い影響を受けているという。そこには砦に立てこもってインディアンと戦う西部劇の姿も見て取れる。
 そして個人的には『エイリアン2』などの立てこもりホラーに近い物も感じる。ストリートギャングたちも犯罪者というよりはモンスターに近い。サイレンサーを使った銃で音もなく襲いかかってくる。何が目的なのか、正体は何者なのか、最後まで不明なままだ。
 低予算故に廃ビル一つを舞台に絞り、ラストこそ「えっ、これで終わり」という物足りなさがあるが、前半は緊張感溢れる物語が展開される。
 刑事とナポレオンとの立場を超えた言葉ではなく行動による信頼感が表現されており、アクション映画ファンには嬉しい。

 ジョン・カーペンターにとってはこれが商業映画デビュー作にあたる。脚本もカーペンターということもあり本人の趣味性が強く表れた作品だ。
 立てこもり系の映画はその後いくつも作ることになるし、凶悪犯ナポレオンは『ニューヨーク1997』シリーズのスネーク・プリスケンの原形だろう。
 いや、そもそもカーペンターは自分の趣味に合う作品しか撮っていないのではないだろうか。フィルモグラフィーを見ても、「何で撮ったの?」というのは『透明人間』(1992)ぐらいだ。

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