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『ハロウィン』 お菓子か?殺人か?

B0000CBCCL.jpg『ハロウィン』(1978) HALLOWEEN 90分 アメリカ

監督:ジョン・カーペンター 製作:アーウィン・ヤブランス 脚本:ジョン・カーペンター、デブラ・ヒル 撮影:ディーン・カンディ 音楽:ジョン・カーペンター
出演:ジェイミー・リー・カーティス、ドナルド・プレザンス、ナンシー・キーズ、チャールズ・サイファーズ、トニー・モラン、P・J・ソールズ、カイル・リチャーズ、ピーター・グリフィス

 商業映画の場合、映画も商売だから利益を上げなければいけない。
 仮に50万ドルの収益を上げたとしても制作費が100万ドルだったら赤字だが、5万ドルで作っていればかなりの成績だ。
 その点、ホラー映画というのは小規模プロダクションが手を出しやすいジャンルである。
 SF映画や戦争映画と比べると遥かに低予算で制作することができるし、うまく口コミで広がれば意外なヒットが望める。
 映画の宣伝文句で高額な制作費を誇ることがあるが、同じ事をより少ない予算で実現できればそちらの方がリスクが少ない。
『ハロウィン』はその見本のような映画だ。

 監督のジョン・カーペンターはまだ駆け出しの新人。音楽まで自分で担当して制作費削減に一役買っている、というか趣味なんだろう。
 主演のジェイミー・リー・カーティスは今でこそ有名女優だが、この作品ではまったくの新人。出演者でギャラがかかっているのはドナルド・プレザンスぐらいなものだ。
 まったくのエキストラを除けば登場人物はせいぜい10人。昔、テレビで観たときはマイケルがもっと殺しまくる作品という印象だったが、実際はほんの数人。殺害シーンのSFXも決して金のかかった物ではない。
 これでホラー映画史に名前の残る作品に仕上げ、さらにこれまでの累積興行成績を考えると成功も成功、大成功である。

 ハロウィンの夜、白いマスクをかぶって次々と殺人を繰り返すブギーマンことマイケル。『13日の金曜日』のジェイソンや『エルム街の悪夢』のフレディと並ぶ殺人鬼スターの一人だ。
 マスクのため表情はうかがえず、何を考えているのかさっぱり分からない。殺人の動機も復讐とか悪意などではなく、単に殺すのが役目だから殺している。いちゃついている若者がターゲットとなるが、特に恨みがあるとかでもなさそう。シスコンが原因だったのか?
 あれこれ理屈付けをせずに「異常者だから人を殺す」と開き直っている。ラストではそもそも人間だったのかも疑問だ。

 殺害シーンではほとばしる血などの流血はほとんどない。もっと血がドバドバ飛び交っていた気がするが、ガキの頃にTVで観たきりだから記憶が書き換えられていたのだろう。
 考えてみればハーシェル・ゴードン・ルイス の『2000人の狂人』(1964)などを除けばスプラッタームービーが一般的なブームになるのは1980年代になってからのこと。例えば首が切断されるなどの残虐シーンで有名な『13日の金曜日』第1作目は1980年制作と数年後だ。
 『ハロウィン』に登場する血はまだ少量だったが、それでも観客は恐怖の叫び声を上げ、映画館やドライブインシアターなどで彼女は彼氏に抱きついた。
 ホラーファンなら必見だが、およそ30年前の作品であって刺激に馴れた今の観客には物足りない部分があるのも事実。
 今となっては キャーキャー叫びながら観る作品ではなく、クッションでも抱きかかえながらじっくり観る映画だろう。

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コメント (2)

宇都城久:

 『ザ・フォッグ』の次は『ハロウィン』ですか。懐かしい。
 『ハロウィン』が初公開された年には『エイリアン』『スーパーマン』も公開され、印象に残った年でした。
 これらのシリーズは全部観ていますが(『スーパーマン・リターンズ』だけ未見)、とりわけ『ハロウィン』と『エイリアン』は繰り返し観ました。
 もっとも『ハロウィン』は最後に観てから20年近く経っているので、本文でも触れられているように物足りなさを感じるかもしれません。『スーパーマン』なんぞ 四半世紀以上前に観たときは熱狂したのに、先日 TVの深夜放送で再見したときは「えっ、こんなんだっけ。ツマンねえの」。記憶が書き換えられています。
 このままいくと、次に取り上げるのは『ニューヨーク1997』でしょ?

東森時音:

宇都城久さん

『ハロウィン』はホラー映画の法則によってやたらと続編が作られましたね。
2002年に『ハロウィン レザレクション』まで作られているのは驚きました。21世紀まで続くとは。
今ではそれなりに大物女優のジェイミー・リー・カーティスが出演していたのも驚き。

しばらくはカーペンター作品が続きます。もちろん『ニューヨーク1997』も。

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