『9デイズ』(2002) BAD COMPANY 117分 アメリカ
監督:ジョエル・シューマカー 製作:ジェリー・ブラッカイマー、マイク・ステンソン、マイケル・ブラウニング 製作総指揮:ゲイリー・M・グッドマン、チャド・オマン、ラリー・シンプソン、クレイトン・タウンゼント 脚本:ジェイソン・リッチマン、マイケル・ブラウニング 撮影:ダリウス・ウォルスキー 編集:マーク・ゴールドブラット 音楽:トレヴァー・ラビン
出演:クリス・ロック、アンソニー・ホプキンス、ガブリエル・マクト、ガーセル・ボーヴァイス、アドニ・マロピス、ケリー・ワシントン、マシュー・マーシュ、ピーター・ストーメア、ジョン・スラッテリー、ブルック・スミス
東欧のチェコでおとり捜査中の黒人CIA局員が殺害された。その任務とはある特殊爆弾に関することで、解決のためにはどうしても彼の存在が必要だった。
そこでCIAはある計画を思いつく。その局員には生まれながらに離ればなれになり、お互いの存在を知らずに育った双子の兄弟がいるのだ。その兄弟を連れてきて代理を演じさせれば良いではないか。
って、エーリッヒ・ケストナーの『ふたりのロッテ』かよっ!
問題は、局員はインテリで物腰も優雅でスパイとしても優れていたのだが、弟の方は学歴もなく職にもあぶれ彼女にも見捨てられそうな始末。
その男(クリス・ロック)を9日間で即席スパイとして育て上げねばならない。
本当に、何とかなるの?
クリス・ロック主演として観るとちとつらい。この人も『サタデーナイト・ライブ』出身だったかな?脇ならともかく主役を張れる役者じゃない。
武器はもっぱらマシンガン・トークだが、エディ・マーフィーはクリス・タッカーが毎分800発発射の最新アサルトライフルならば、クリス・ロックは毎分450発の旧式グリースガンみたいなもの。ダダダダダッではなく、バン・バン・バン・バンって感じで格が違うな。
取引条件の報酬に飛びついたくせにあれこれダダをこねて、スパイ社会に入ってきたんだからちっとは緊張しろよ。序盤はまるで冴えないが、実際に現場に出てみると意外な才能を発揮するのは、エディ・マーフィーの『大逆転』をちょっと思わせる。ただ、この作品の場合は都合良すぎる印象。双子の兄弟が優秀だから優れた記憶力などの素質は同じだということなんだろうか。
クリス・ロックで足りない部分を補ってくれるのがアンソニー・ホプキンス。ちょっと肩の力を抜いた演技で映画の屋台骨を支えてくれる。彼がいなかったらさらにキツい作品になっていたはず。肉体的にはきついだろうがちょこっとアクションにも加わってくれる。ただ、この作品に出演した理由がよく分からん。脚本の出来が良かったからではなさそうだし、製作陣のコネかあるいは金か。
全編を通して登場するチェコの首都プラハの街並みは、美しくもどこか重く歴史を感じさせる。映画として絵になる街だ。
日本の街じゃ都会でも田舎でもなかなかこうはいかない。看板の規制をするだけでもだいぶとましになると思うんだが。原色ギラギラ、ネオンや電球ピカピカはサイバーパンク映画で観る分にはいいが、そこで生活するとなるとどうにも落ち着かないね。