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『スパイモンキー』 チンパンジースパイが日本を救う

B000FF6VKS.jpg『スパイモンキー』(2003) SPYMATE 83分 カナダ

監督:ロバート・ヴィンス 製作:アンナ・マクロバーツ、ロバート・ヴィンス 製作総指揮:マイケル・ストレンジ、ケヴィン・ケイシャ 脚本:アンナ・マクロバーツ、ロバート・ヴィンス 撮影:マイク・サウソン 編集:ケリー・ハーロン 音楽:ブラーム・ウェンジャー
出演:クリス・ポッター、リチャード・カインド、エマ・ロバーツ、マイケル・ベイリー・スミス、ミュゼッタ・ヴァンダー、デブラ・ジョー・ラップ、パット・モリタ

 まず最初に断っておくが「お子様向け映画」である。これを観て幼稚すぎるとかいわないように。子供向けなんだから。

 元は諜報部の腕利きエージェントとして活躍していた人間とチンパンジーのスパイコンビ。今では引退して、それぞれ保険業とサーカスの花形スターとして働いている。
 ところが、元スパイの娘が少女ながらに天才科学者で、その才能に眼をつけた悪党が彼女をさらいある研究を強要する。
 元スパイはチンパンジーのミンキーと共に10年ぶりにスパイに復帰すると、娘を救出に乗り出すのであった。

 『007シリーズ』のファンには、力になってくれるはずの女性科学者を探すため、一路ジャマイカに向かい、海辺で泳いでいたその科学者がビキニ姿で水中から姿を現すシーンで手を売って喜ぶこと間違いなし。
 ジャマイカのシーンは単にそのためにあったようなもので、残りの舞台は日本に移る。といっても、ところどころに日本の風景がインサートされるだけで、日本ロケなど欠片もやっちゃいなそうだが。終盤の舞台は槍ヶ岳だが、どうみてもカナダの山中。ま、気にするな。
 山中で遭難しかけたミンキーを救うのは我らがノリユキ・パット・モリタ。今回は正義の忍者役。ミンキー対パット・モリタによる武術の稽古シーンは見ものだ。

 ミンキーは本物のチンパンジー。スノーボードや空中ブランコなどのアクションシーンではCGなどVFXが使われているが、演技は基本的にちゃんと本人?がやっている。悪党の一人が幻覚の中で見る「しゃべるミンキー」でCGが使われていたぐらいか。
 これがさすがに上手い。笑う、怒る、驚く、そして呆れるまでちゃんと感情を表現して、俳優に合わせた動きもする。いきなり現れた忍者(パット・モリタ)にポカーンとしているところなど爆笑。
 もちろん、ミンキー役のチンパンジーがちゃんと役柄を理解して演じているわけではなく、調教師と演出側の苦労と工夫の賜物なのだろう。上手くやってくれるまでひたすら忍耐が必要だったに違いない。ちなみに、チンパンジーが笑っているシーンは、あれは本来は威嚇している顔なんだそうだ。
 本気で演出すればチンパンジーだってスーパースターになるのだ。
 昨日紹介の『笑う大天使』では演出側にその苦労と工夫が欠けていた。演じるのが普通の女の子でも「本物のお嬢様」に見せるのが演出側の役目だろうに。

 ミンキーのサーカス芸人仲間や、マネーペニー的存在(ただし10年分年をとった)おばさんたちなど主人公を支える人々が楽しい。

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