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『スーパーマン リターンズ』 人事を尽くせ

B000JCE3WK.jpg『スーパーマン リターンズ』(2006) SUPERMAN RETURNS 154分 アメリカ

監督:ブライアン・シンガー 製作:ブライアン・シンガー、ギルバート・アドラー、ジョン・ピーターズ 製作総指揮:クリス・リー、トーマス・タル、スコット・メドニック 原案:ブライアン・シンガー、マイケル・ドハティ、ダン・ハリス 脚本:マイケル・ドハティ、ダン・ハリス 撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル プロダクションデザイン:ガイ・ヘンドリックス・ディアス 衣装デザイン:ルイーズ・ミンゲンバック 音楽:ジョン・オットマン テーマ音楽:ジョン・ウィリアムズ タイトルデザイン:カイル・クーパー
出演:ブランドン・ラウス、ケヴィン・スペイシー、ケイト・ボスワース、ジェームズ・マースデン、フランク・ランジェラ、サム・ハンティントン、エヴァ・マリー・セイント、パーカー・ポージー、カル・ペン、ステファン・ベンダー、マーロン・ブランド


 クリストファー・リーヴ版を1から4まで全てリアルタイムで映画館で観たオレである。3の『電子の要塞』は大好き、1、2はまぁ普通。4作目はさすがにアホかと。そんな程度の好きだが、あの手前に伸びてくるオープニングクレジットとテーマ曲にはやはりぐっとくる。

 手放しで面白かったのは、スペースシャトルを搭載したジャンボジェット機が事故を起こし、スーパーマンがそれを救うまで。
「レーダーになにか映ってるぞ」
「未確認飛行物体だ。なんてスピードだ」
 という護衛機と管制塔の会話から始まり、ついには翼を失って墜落していくジャンボジェットを受け止め、メジャーリーグがゲームを開催している最中のグラウンドに着地させる。
 一瞬間が開いて、観客などがわーっと歓声を上げる。
 なんかねぇ、ちょっと泣けてきたよ。

 それ以降は、相変わらずのクラーク・ケントとロイス・レインの「お前ら、中高生か!」と怒鳴りつけたくなるような、好きなんだけど打ち明けたい、でも打ち明けられないがうだうだと続く。
 スーパーマンとクラーク・ケントが主人公の中でどちらが本物なのかとか、正義の味方であるべきなのかそれとも個人の幸せを追求しても良いのかというのは、すでに2のテーマとしてやっているので、正直今さらではある。
 クラーク・ケントである時間の方が長いのだが、そのクラーク・ケントに魅力を感じさせてくれないところがつらい。あくまでも主役はスーパーマンでクラークは脇役って感じだ。
 原作のDCコミックによるアメコミがあるから、制約は多くあまり勝手なことは出来ないのだろうが・・・でもコミック版だとスーパーマンって死んだんだよね?すぐ次の号で生き返ったらしいが。

 そのクラーク・ケントの女々しさをカバーしてくれるのがロイスの婚約者であるリチャード・ホワイト(ジェームズ・マースデン)だ。『X-MEN』シリーズでサイクロプスをやっていた人で、監督のブライアン・シンガーが引っ張ってきたんだろう。
 このリチャードが実に男。いくらでも嫌な奴として描くことも出来ただろうし、オレも終盤まではそう思っていた。しかし、スーパーマンとロイスが内心愛し合っていることに気づくと、恨み言の一つも言わずに彼女の幸せを願ってスーパーマンの元へと送り出す。超人ではなく普通の男だが、これが格好いい。スーパーマンよりよっぽど男だ。

 特に気になるのは二点。
 レックス・ルーサーの企みによって地殻変動が起こり、自身に襲われたメトロポリス市(モデルはニューヨーク)の人々が、その災害に対してただ怯えとまどうばかりで、逃げとまどってはスーパーマンに助けてもらうのを待つだけ。
 ここは、全員が懸命に助け合うシーンを入れて欲しかった。人事を尽くして、尽くしきってもそれでも不可能な部分をスーパーマンが補う方がオレ的に好みだし燃える。アメリカの観客だって911のことを考えるとヒーローとは唯一無比な存在ではなく、消防士、警官、医師、そしてもちろん一般市民の中にだってヒーローがいることを知っているはず。
 なにより「スーパーマンは必要か?」への一つの回答ともなるだろうに。

 そして少年がピアノで悪漢をやっつけてしまうところ。ストーリー的には重要なのだが、相手は気絶したぐらいで良かったんじゃなかろうか。少年自体は悪漢がどうなったのは詳しくは知らないままだが、だとしても子供に背負わせるには重すぎる。

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