『スパイ・ハード』(1996) SPY HARD 90分 アメリカ
監督:リック・フリードバーグ 製作:リック・フリードバーグ、ダグ・ドレイジン 製作総指揮:ロバート・L・ローゼン、レスリー・ニールセン 脚本:リック・フリードバーグ、ディック・チャドナウ、ジェイソン・フリードバーグ、アーロン・セルツァー 撮影:ジョン・R・レオネッティ 音楽:ビル・コンティ 主題歌:アル・ヤンコビック
出演:レスリー・ニールセン、ニコレット・シェリダン、チャールズ・ダーニング、マーシャ・ゲイ・ハーデン、バリー・ボストウィック、アンディ・グリフィス、レイ・チャールズ、メイソン・ギャンブル
アル・ヤンコビックが歌う主題歌が実に楽しい。
「スパイハ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ドッ!」
で、アル・ヤンコビックの頭がドッカーン。
この時点で再生を止めて、そのままレンタル店に返却すれば、笑えるバカ映画として一生記憶に残るでしょう。
えっ、本編?ダメだってば、観ちゃ。いつも通りのレスリー・ニールセン物なんだから。
アル・ヤンコビックとレスリー・ニールセンは『裸の銃を持つ男』でも競演してました。世界的なロックスターとしてジャンボジェット機から降り立つのがアル・ヤンコビック。誰が世界一のロックスターやねん。
その記者会見の壇上を、自分の記者会見だと思いこんで、ドレビン警部(レスリー・ニールセン)が上がり込んでしゃべりまくるというギャグでした。確か。
レスリー・ニールセンに関しては、『裸のガンを持つ男』のプロトタイプであるTVシリーズの『フライング・コップ』までですね、面白かったのは。
『禁断の惑星』(1956)や『ポセイドン・アドベンチャー』(1972)を観れば分かるんですが、この人は本来二枚目系の俳優なんですよ。それもあまり演技力のない。『フライングハイ』では、その往年の二枚目俳優が真面目な顔でバカをやるというネタにされていたから面白かったんです。
レスリー・ニールセン本人が面白いわけではなく、ギャグの素材として監督なり脚本家が使うことによって初めてギャグになる。本当はそういう存在なんです。
それを何を勘違いしたのか「うーん、オレって面白人間」と勘違いして、積極的にギャグをやり始めてからてんでダメになりましたな、この人は。
レスリー・ニールセンはコメディアンとしての才能はないんですよ。そこら辺を勘違いしている。この人のギャグセンスは変な顔や変なことをすればギャグになるだろうという、小学生レベルの物なんです。せめて、わかっている演出陣が使えばなんとかなるんですけどね。実際、スタンリー・トンが撮った『Mr.マグー』(1997)は面白かったですよ。
しかし、大半の映画がこの『スパイ・ハード』と同じく、あまり才能がなさそうな監督と組んでいるので悲惨な出来の作品が量産されています。
この作品でも例によって他の映画のパロディというか単にモジリだと思うんですが、それが大量に登場します。でもって、どれもつまらないの。もう見事なぐらい。もういいいから、オレに撮らせろよオレにって感じです。
タイプとしては『最終絶叫計画』(2000)なんかと同じですかね。制作陣が「くだらない=面白い」と勘違いしちゃってるの。くだらないと面白いは別に相関関係じゃないんですけどね。わたしは面白ければくだらなくても、そうでなくても関係ないんですが、つまらないので『スパイ・ハード』は嫌いと。つまりはそういうことです。
あえて内容面で評価するとしたら、007シリーズの持つ無意味さと派手さを拡大解釈したということぐらいですかね。でも007シリーズのパロディとしても非常に中途半端です。