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『電撃フリント アタック作戦』 オトコって、ほんとバカぁ?

B000KQFCBG.jpg『電撃フリント アタック作戦』(1967) IN LIKE FLINT 115分 アメリカ

監督:ゴードン・ダグラス 製作:ソウル・デヴィッド 脚本:ハル・フィンバーグ 撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ 特殊効果:L・B・アボット 音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ジェームズ・コバーン、リー・J・コッブ、ジーン・ヘイル、アンナ・リー、アンドリュー・ダガン、ハンナ・ランディー、トッティ・エイムズ、イヴォンヌ・クレイグ、スティーヴ・イーナット、ハーブ・エデルマン

 前作では世界を平和的に支配しようとする科学者集団が相手だったが、今回世界を狙うのは美女たち。世界は女性によって支配されるべきだというフェミニスト軍団である。
 1960年代後半にはアメリカでウーマンリブ旋風が吹き荒れていたので、そこからヒントを得たのであろう。田嶋先生が脚本に途中まで関わっていたという説もあるが、定かではない。

 宇宙に打ち上げられたのは世界初の有人宇宙ステーションだった。そこに人を送り込み、各種実験を試みるという計画だ。まずは二人の宇宙飛行士が送り込まれた。
 この宇宙ステーションという設定は、当時まだ計画段階だったスカイラブをヒントにした物だろう。ちなみにスカイラブ1号が打ち上げられたのは1973年5月14日。スパイ映画であると同時にSF映画といっても良いだろう。宇宙服はペナペナな銀色スーツでさすがに時代を感じさせるが、ロケットの打ち上げシーンのミニチュアはなかなか良い出来で、実際のロケット打ち上げ映像も巧みに交えて意外にリアルだ。

 悪の組織、うーん悪の組織といっていいのか微妙だが、彼女たちは男性が支配する現在の社会に不満を感じている。そこで、美容室などのヘルメット型のドライヤーに洗脳装置を組み込んで同志を増やすとともに、バージニア諸島に美顔クラブという島を作り、そこを本拠地として計画を刻々と進めていた。
 具体的には、打ち上げられたばかりの宇宙ステーションの駐留宇宙飛行士を女性と入れ替え、そこに核兵器を持ち込む。地球上のどこでも標的にすることが可能なため、それによって各国政府を脅迫し女性によって支配するダモクレス計画である。ダモクレスとは「ダモクレスの剣」のダモクレスだろう。頭上に一本の糸で剣を吊し、そうすると剣がいつ落ちてくるかと冷や冷やして暑い夏でもクーラーなしで過ごせるという奴だ。(違うっちゅーに)

 美顔クラブの4人の幹部がフリントに語る内容は、当時としてはかなり過激でセンセーショナルだったのかもしれないが、今聞くと普通だったりする。
「上司や夫より秘書や妻の方が重要な仕事をやっています。上司が出張しても仕事に影響はありませんが、秘書が休んだら全てストップしてしまいます」「女は男よりも長生きです」「器用さも20%上です」「辛抱強さは比較にもならない」うんぬん。
 それに対してフリントは「それはそうかもしれないが、そんなに急ぐ必要があるかね。次第にそうなっていくんじゃないのか。とにかくやめとけよ、そんなの」と計画自体には否定的。

 こうして綿密に進められた美顔クラブの作戦だが、計画遂行上やむを得ず男性を使ったのが運の尽き。洗脳した男を大統領そっくりに整形手術して本物と入れ替えたのだが、一度権力の座を味わってしまった偽大統領はすっかり浮かれあがった。自分が偽とはいえ大統領の地位に就けたのも美顔クラブのおかげということも忘れ、ついにはカーター准将という軍人の手駒にされてしまう。カーター准将はダモクレス計画を自らの欲望のために彼女らから奪いうため、島を部下とともに支配する。男の欲望の内、権力欲というのはかなり上位になるのだろう。そして、女性が上に立つこと、厳密には女の下の立場になることが死ぬほど嫌いな人が多いようだ。
 なまじっか男を信用したために崩壊してしまった彼女たちの計画だが、そんな卑劣な奴らのことを我らがフリントが許すはずがない。
 フリントは美顔クラブの美女たちに水着姿など肌もあらわな服装にさせると、宇宙ステーション行きのロケット発射基地に彼女たちと乗り込んだ。
 アサルトライフルで武装した軍人たちだが、彼女らの「おいろけ作戦」にあっけなく引っかかり、でれっとしているところをコテンパンにやられてしまう。
 オトコって、ほんとバカばっか!!

『GO!GO!作戦』『アタック作戦』のどちらも世界征服を狙う連中が相手となっているが、どちらも私利私欲のためではなく、世界を安定させより平和にするのが目的ではある。でもそれって、自分たちと意見の異なる者は排除することによって成り立つ安定であり平和なのだ。つまるところはファシズムである。

 そう考えると、フリントは何者にも縛られず自由のために戦うヒーローなのかもしれない。

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