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『007 ダイヤモンドは永遠に』 ラスヴェガスでのカーチェイス

B000IU38KQ.jpg『007 ダイヤモンドは永遠に』(1971) DIAMONDS ARE FOREVER 120分 イギリス

監督:ガイ・ハミルトン 製作:ハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ 原作:イアン・フレミング 脚本:トム・マンキウィッツ 撮影:テッド・ムーア 特殊効果:アルバート・ホイットロック 音楽:ジョン・バリー テーマ曲:モンティ・ノーマン 主題歌:シャーリー・バッシー
出演:ショーン・コネリー、ジル・セント・ジョン、チャールズ・グレイ、ラナ・ウッド、ブルース・キャボット、ジミー・ディーン、ノーマン・バートン、バーナード・リー、ロイス・マクスウェル、デスモンド・リュウェリン


 主人公の一人称視点で怒り狂い暴れうジェームズ・ボンド。「ブロフェルドはどこだ?」とスペクター関係者を殴り倒す。『女王陛下の007』のラストで花嫁のトレーシーがブロフェルドによって殺されたため、その復讐に乗り出したのだ。
 途中まで顔が映らないのは、ジョージ・レーゼンビーから再びショーン・コネリーにキャスティングが変更になったため、それを埋める演出である。
 ブロフェルドの居所を突き止めたボンドは、スペクターの基地に侵入してブロフェルドと対決する。またもや顔が変わったブロフェルド。今回演ずるのはチャールズ・グレイだ。この人は『007は二度死ぬ』で味方側として登場してあっという間に死んだ役者じゃないか。昨日の友は今日の敵ということか。ちょっと違うか。色素の薄い青い瞳が残虐っぽくてそれほど悪くないのだが、頭の毛は剃って欲しかった。ハゲじゃなきゃブロフェルドじゃないぞ。
 そしてボンドはブロフェルドの殺害に成功する。したかに見えたのだが・・・

 というわけでシリーズ第7作『007 ダイヤモンドは永遠に』が始まる。まるで婚約指輪の宣伝文句のようなタイトルだ。
 南アフリカのダイヤ採掘現場から原石が盗み出されているらしい。そのダイヤは一旦オランダに持ち込まれていることが判明する。
 ブロフェルドは殺したことだし、地味な任務に就けとMから命令されたボンドだが、深く関わっていく内に地味どころか巨大な陰謀が裏に潜んでいたのである。
 今作のボンドガールはティファニーという名前。母親がティファニー店内で産気づいて彼女を出産したためその名が付けられたという。どうでもいいけど臨月なのに宝飾品店で買い物をしているのはちょっとどうかと思うぞ、お母さん。状況いかんでボンドに協力したり、敵側に付いたりと、あまり好感は持てないヒロインだ。
 全編を通して登場する二人組の殺し屋がボンドと対決することになるが、ブ男と前半分がハゲの組み合わせで、ユーモラスではあるがちっとも怖くはない。ギャグあるいは間抜けそうに見えて残虐という意外性を狙ったのか。とりあえず失敗だとは思う。
 自分が殺した悪党に成りすまして、ボンドはダイヤモンドをアメリカに密輸する。アメリカの空港で待っていたのはもちろんCIAのフェリックス・ライター。この人もまた演ずる役者が変わっている。同じ人を使わないのは何でなんだろうか?
 そして舞台はギャンブルの街ラスヴェガスに。ホワイトハウスという名のホテル・カジノがあり、そこの社長ホワイトは最上階のペントハウスに篭もったきり三年も人前に姿を現していない。どうやらこのホワイトが裏で糸を引いているようなのだが、その正体はボンドが殺したはずのブロフェルドだった。殺したのは同じ顔に整形した影武者だったのだ。
 スペクターの研究所から月面車で脱出したボンドだが、三輪バギーに追われあやわ追い詰められそうになるが、機転で無事に切り抜ける。エンドクレジットにホンダの名前があり、どうやらこの三輪バギーはホンダ製品のようだ。
 そして保安官たちの運転する何台ものパトカーとカーチェイスを繰り広げる。アクションの質が『女王陛下の007』のスキーチェイスから格段に向上しており、ここでのカースタントは以前の物と比べてかなり工夫が凝らされている。車の幅よりも狭い路地を片輪走行で通り抜けるシーンが面白い。『ダイヤモンドは永遠に』ではカットを割って撮影されているが、ジャッキー・チェンの『Who am I』だったと思うが、こちらにもほぼ同様のスタントがあってそちらでは1カットになっていた。007のカースタントチームは『スパルタンX』に参加していたりと、ジャッキー・チェンとは縁があるようだ。昔、いすゞのジェミニのCMでワルツを踊るように走る車が話題になったが、あれを担当したのも007のカースタントチームだったはず。
 ブロフェルドによって人質になっていたホワイトを救出するためにボンドは郊外の別荘を訪れる。ここで白人と黒人の二人の女性にボンドはかなりコテンパンに叩きのめされてしまう。他のシーンでもそうだが、コネリーボンドは射撃の腕は良いが、格闘戦は苦手なようだ。
 ボンドが使うQの秘密兵器は指の腹に貼るニセ指紋と携帯ミサイルぐらいだが、Q自身が指輪型のスロットマシーン操作機でカジノで大勝ちしている。シリーズ中もっとも実用的な秘密兵器かも知れない。オレにくれないだろうか、パチスロに行って一儲けするのだが。まぁ捕まりそうだし、そもそもギャンブルは宝くじすらやらないんだけどね。
 ホテルが隠れ家として役に立たなくなったためブロフェルドは車で逃げ出すのだが、なんと女装している。意味がないというか、逆に目立つだろうに。ただ単に女装したかっただけじゃないのか。「だってしょうがないじゃありませんことですわよ。素顔だとばれてしまいますからオホホホ。あらご免あそばせ」とか言いながらファンデーションをパタパタやってるの。うげげ。
 ダイヤモンドを集めていた理由は、人工衛星に積むレーザー兵器に必要だったから。前作は致死性ウイルスで今作は宇宙兵器。スペクターは多角経営だ。

 全体的にだれた感じが否めない。ショーン・コネリーがもうやりたくないというのに無理矢理引きずり出されてボンド役をやっているというのもその一因だろう。
 イギリス、オランダ、ラスヴェガスと舞台が変わっていくが、そのテンポもあまりスムーズではない。ガイ・ハミルトンは好きな監督なのだが、今作はちょっと・・・と首をかしげずにはいられない。

「JAMES BOND WILL RETURN IN "LIVE AND LET DIE"」

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