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『007 サンダーボール作戦』 世界の敵スペクター

B000IU38JW.jpg『007 サンダーボール作戦』(1965) THUNDERBALL 129分 イギリス

監督:テレンス・ヤング 製作:ケヴィン・マクローリー 製作総指揮:ハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ 原作:イアン・フレミング 脚本:リチャード・メイボーム、ジョン・ホプキンス、ジャック・ホイッティンガム 撮影:テッド・ムーア 音楽:ジョン・バリー テーマ曲:モンティ・ノーマン 主題歌:トム・ジョーンズ
出演:ショーン・コネリー、クローディーヌ・オージェ、アドルフォ・チェリ、マルティーヌ・ベズウィック、ルチアナ・パルッツィ、リク・ヴァン・ヌッター、バーナード・リー、ロイス・マクスウェル、デスモンド・リュウェリン

 監督が1、2作目を撮ったテレンス・ヤングに戻ったシリーズ第4作。この作品まで007シリーズは毎年制作されていたのだ。企画・脚本段階から考えると、1年という期間は映画制作にとって決して長くはない。むしろ短すぎる。1作毎に大作化、大予算化されたため、次作からおよそ2年ごとの制作ペースとなって現在に至る。上映時間も前3作が2時間以内だったのに、今作は129分と長くなっている。
 この作品の頃からショーン・コネリーはジェームズ・ボンドに俳優としての役柄が固定されるのを嫌って降板を口にするようになっていたそうだ。その後、ジェームズ・ボンド色を拭い去るまでかなり苦労したことを考えると、彼の考えは正しかったようだ。

 恒例になったオープニング前のアクションでは圧縮空気を使ったバックパック型の飛行装置でボンドが空を飛ぶ。飛び立つ前にはちゃんとヘルメットを被り安全対策もばっちり。同じ原理の装置が1984年のロサンゼルスオリンピック開会式で実際に飛んでいた。そもそもは敵地への潜入など軍事用に開発されたそうだが、飛行距離の短さや騒音から実用には至らなかったそうだ。
 計画段階では良くても、実際に作ってみると役に立たないってのはよくあることだ。

 オープニングタイトルは海中をイメージしていて、『サンダーボール作戦』を象徴した素晴らしい出来だ。トム・ジョーンズの主題歌が暑苦しい。

 敵として国際的犯罪組織スペクターが再び登場。律儀に幹部が全員顔を揃えて会議のシーンから始まる。財務報告までしているのだから、こいつら犯罪組織ではなく普通の会社を興していれば十分成功していたんじゃないかとも思える。
 組織に背いた者はその場で抹殺という鉄の規律。前にも書いたが、人的資産がいくらあっても足りないぞ、これは。ちなみに日本人らしき幹部もいる。『007は二度死ぬ』への伏線だったりしてな。
 今回の敵は左目に黒い眼帯を付けたNo.2ことラーゴ。トップのブロフェルドがNo.1だから、その名の通り組織での順位が2番目の腹心の部下と思われる。
 ラーゴは館のプールに鮫を何匹も飼っていて、任務に失敗した部下はそこに放り込まれて哀れ餌に。氷河期が終わりつつあると言われてもまだまだ就職・転職が厳しい昨今だが、幾ら職がなくてもスペクターには就職したくない。そもそもどうやって人材を集めてるんだか。『フロムA』?それじゃバイトか。

 NATOの爆撃機が演習中に消息を絶つ。機体には2発の原子爆弾が搭載されていた。
 もちろんこれはスペクターの仕業。原爆を返して欲しければ大金と引き替えだとイギリス・アメリカなどを脅迫してくる。
 保養所でカイロプラクティックを受けたり、女といちゃついていたりしているジェームズ・ボンドにも緊急呼集がかかる。MI6本部に駆けつけると会議の真っ最中。00要員の座る椅子が9個並んでいて、ジェームズ・ボンドは7番目の椅子に座る。他の00要員の顔ははっきりと映らないが、やはり001から009までの9人がいるようだ。009は加速装置が付いてたりするんだろうか。
 パナマ諸島に謎の答えがあるとにらんだボンドはかの地に向かう。
 何気に出演回数の多いCIAのフィーリックス・ライター(フェリックス・ライター)と合流して共同で捜査に当たる。
 南国の島に合わせていつもはスーツ姿のQがパイナップル柄の青いアロハシャツとショートパンツで登場。腕時計型のガイガーカウンター(もちろん防水)や小型の空気ボンベなどを支給する。手渡すだけだから部下にでも任せれば良さそうな物だが、本人が出張ってくるとは休暇も兼ねていたのだろうか。
 ボンドの助手である女性がラーゴに誘拐される中盤辺りは少々ダレるが、海底に沈んだ爆撃機をボンドが発見した辺りから面白くなってくる。
 終盤のマイアミ沖での水中戦は敵味方みだれての大激戦。ラーゴは当計画のトップなのに自らウェットスーツにアクアラングで前線に立つ。自分は安全な場所にいて口先ばかりの企業のトップは見習って欲しい物だ。
 ラストでソビエトから連れてこられた科学者がラーゴに協力させられていたのを裏切ってボンドたちを助け、岩島に衝突する船から海に飛び込むまでは一緒にいるのだが、救命ボートの上に姿はなく、飛行機によって救助されるのもボンドとボンド・ガールのドミノだけ。明らかに保身のための行動で同情すべき人物ではないとはいえ、博士はどこ行ったんだ?

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