『007 ドクター・ノオ』(1962) DR. NO 105分 イギリス
監督:テレンス・ヤング 製作:ハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ 原作:イアン・フレミング 脚本:リチャード・メイボーム、バークレイ・マーサー、ジョアンナ・ハーウッド、テレンス・ヤング 撮影:テッド・ムーア 音楽:モンティ・ノーマン、ジョン・バリー
出演:ショーン・コネリー、ウルスラ・アンドレス、ジョセフ・ワイズマン、バーナード・リー、ピーター・バートン、ロイス・マクスウェル、ジャック・ロード、アンソニー・ドーソン
007シリーズの記念すべき映画化第一作目。
もう44年も前の作品なんだね。そりゃショーン・コネリーも禿げるわけだ。オレが生まれる前の作品である。
後に予算をかけた大作化していくシリーズだが、『ドクター・ノオ』は比較的低予算で作られているようだ。派手なアクションもあまりないし、大規模なセットが全編を通して登場するわけでもない。「竜(ドラゴン)」と呼ばれる怪物の正体は火炎放射器を搭載した装甲車。装甲車と言っても本格的なヤツではなく、普通の車にガワを貼り付けただけでちゃちな感じだが、明るいシーンでは使わず暗い闇の場面にしか登場しないのでそのちゃちさがばれない。その辺りはさすがテレンス・ヤングは上手い。
ジェームズ・ボンドはカジノでバカラ?をやっているシーンで登場。いきなり煙草を吸っている。世界的な嫌煙傾向にあるので、今となっては問題視される映像だろう。2006年版『カジノロワイヤル』では煙草を吸わないんだっけか?実はまだ観ていないのだ。
Mとジャマイカで起きた情報部員の失踪事件に関する打ち合わせの後、愛用のベレッタを取り上げられ、代わりにワルサーPPKを支給される。このワルサーティモシー・ダルトンボンドで若干の変更が加えられたPPK/Sになるが、「トゥモロー・ネバー・ダイ』でワルサーP99に交代するまで長きにわたってボンドの身を守ることになる。その割に、今作では活躍しないが。
Qから支給される各種秘密スパイ道具が007シリーズの魅力の一つであるが、今作で登場するのはこのワルサーPPK/Sと特殊機能無しのボンドカー、そしてガイガーカウンターぐらい。この頃はまだ比較的地味な映画だったのだ。
オープニング前の一大アクションもまだない。銃口から狙われたスーツ姿のジェームズ・ボンドがパッと横向きざまに拳銃を撃つ「ガン・バレル(銃身)」と呼ばれるタイトルバックはすでに今作から登場している。ただし、そこで流れる音楽は「デーデ、デーデ、デーデデッデ」の007のテーマではなく、ピコピコピコの電子音。そこからオープニングクレジットが始まり007のテーマが流れる。
そして3人の盲人がシルエットで映し出され、レゲエ風の『3匹の盲目ネズミ』に音楽が変わる。その盲人たちが実際に画面に登場して本編がスタート。なかなか凝ったタイトルバックだ。
ボンドガールがたまたま悪党が支配する島で貝殻を採取していたり、悪の親玉であるドクター・ノオが怪力を放つ鋼鉄の義手を持っていながらほとんど活躍しないままにあっけなく死んでしまうなど、気になる点はいくつかあるが、テンポ良くラストまで進んでいく。
ドクター・ノオが最終的悪玉ではなく、さらにその裏にスペクターという悪の秘密結社が存在することも分かり、続編を感じさせる終わり方だ。ただし、エンドクレジットにはまだ「JAMES BOND WILL RETURN」の文字は現れない。
終盤はドクター・ノオの原子炉で二人は死闘を繰り広げる。(そんなに大げさじゃないが)
ジェームズ・ボンドは防護服を着ているが、原子炉を暴走させているし、炉の真上で格闘を行う。あれは絶対放射線で被曝してると思うんだが、どんなもんだろうか。
最後は基地が大爆発してるし、カリブ海が放射能で汚染されたのではないだろうか。今ほど放射線や放射能に関する知識が乏しかったに違いない。