« 『ダーク・エンジェル』 炸裂、スペースガン | メイン | 『マシニスト』 今夜もまた眠れない »

『サイレントヒル』 襲い来る暗黒舞踏

B000HOL7FG.jpg『サイレントヒル』(2006) SILENT HILL 126分 アメリカ/日本/カナダ/フランス

監督:クリストフ・ガンズ 製作:ドン・カーモディ、サミュエル・ハディダ 製作総指揮:ヴィクター・ハディダ、アンドリュー・メイソン、山岡晃 脚本:ロジャー・エイヴァリー 撮影:ダン・ローストセン クリーチャーデザイン:パトリック・タトポロス プロダクションデザイン:キャロル・スピア 衣装デザイン:ウェンディ・パートリッジ 編集:セバスチャン・プランジェール 音楽:ジェフ・ダナ
出演:ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー、キム・コーツ、ターニャ・アレン、アリス・クリーグ、ジョデル・フェルランド

 汝、みだりに神の名を口にするなかれっつーんですか。やたら神が神がとわめきたてるヤツほどろくなもんじゃないんですよ。そんな映画。

 娘が夢遊病で出歩いたり、描いた記憶のない絵を持っていたりする。
 そこに共通する単語は「サイレントヒル」
 googleの検索でサイレントヒルとは大火事で滅んだ炭坑町で、今はゴーストタウンとなっていると知った母親は娘を連れてそのサイレントヒルへと向かう。
 街へと続く道で飛び出してきた人物を避けようとして車は事故を起こしかかって母親は気絶してしまう。目覚めたときには娘の姿はなかった。知り合った女性白バイ警官も同行し、サイレントヒルで娘捜しの彷徨が始まる。

 プレイステーション2用のゲームが原作だそうだが、そちらはやっていないので、ストーリーやキャラクターの同一性は分からない。
 モンスターが物陰から出てきて「わっ!」とどっきりさせる映画ではなく、細かな事象を積み重ねていく雰囲気重視の映画だ。
 残虐シーンや流血も少なくて、これならホラーが苦手な人でもと思ったが、ラストで盛大にやってくれる。というか、やりすぎ。
 魔女だ悪魔だと町の人に憎まれた女性と、神の僕を名乗る女性の戦いだが、ストーリーが進む内に次第に現実が見えてくる。ちょっとピンとこないところもあったが、つまりは復讐劇だ。

 廃墟と化した街という舞台設定が上手く活かされている。
 現在でも地下で炭坑が燃え続けているので常に空からは雪のような灰が降り続けている。
 大火事で多くの人が死んだ割には焼けただれた建物は出てこないが、古びて荒れ果てていたり、あちこちが錆び付いている。

 モンスターたちが奇妙なデザインで、怖いというより妙だ。
 特に地下室の廊下に何十体といる包帯を巻いたモンスターは、ギグシャクギクシャクと関節を変な方向に動かす歩き方で、まるで土方巽の暗黒舞踏だ。うーん、やっぱり怖くない。
 これらモンスターと母親は戦わない。なぜなら武器はナイフすら持っていないし、そもそも普通の女性だ。銃や剣で敵をバッタバッタとやっつけていく方が不自然だ。

 父親役のショーン・ビーンが渋いが、妻と娘がサイレントヒルに向かった事を知り、それを追いかけるといった別行動なので出番は少ない。
 だが、彼がサイレントヒルを訪れるシーンで観客はある事態を知ることになる。

 あのオチは必要なのかな~と。娘と母親がいれば世界は完結しているってことか。
「子供にとって母親は神と同じ」って言ってたし。
 それとも『サイレントヒル2』への伏線?

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jion-net.com/mt/mt-tb.cgi/4582

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 『サイレントヒル』 襲い来る暗黒舞踏:

» サイレントヒル 送信元 【ムービーレビュー】映画の感想
原作はゲームですね。 ゲームでサイレントヒルを 全くやった事がない人が見ると、 ストーリーが意味不明なだけの映画と 感じてしまうのではないでしょう... [詳しくはこちら]

コメント (4)

ネスカフェ:

この映画見たんですが、終盤にかなりあれなシーンがあって、引いてしまったんですよね。後半の復讐シーンに対する
前フリなんでしょうが、さすがにあれとあれじゃつりあわないという感じです。やはり、残酷な展開にするなら、作り手はそれを緩和するような演出をしなければならないと思いますが、ホソカワさんはいかがですか。

東森時音:

ネスカフェさん

全体的に幻想的な雰囲気なのに、唐突に残虐描写が登場するところは確かに違和感がありました。
原作のゲームはやったことがないし内容も知らないのですが、おそらくゲーム準拠だろうと解釈しました。
人の体を引き裂くような描写なしでもラストまで引っ張れた映画だと思いますが、そこら辺はファンサービスなのでしょう。

ファンは喜ばない作品:

あの展開は原作ゲームとまるっきり無関係です。
映画はSH1とSH2を足して、
四で割ってオリジナルで埋めたような話。
原作破壊もいいとこです。

映像は奇麗なのに、
荒い画質の原作ゲームより異界化が恐ろしくない。
小さな違和感を積み上げて、
終盤に世界が眼前で死んだ世界に変わるからこそ、
あの演出が生きるというのに。

というか検索すれば情報なんかいくらでもあるのに、
恐らくでレビューされても。

ファンは喜ばない作品さん

原作のゲームと映画は別物だと思っていますし特にゲームの方に興味がありません。
ファンは喜ばない作品さんはゲーム『サイレントヒル』の映画化作品を観られたのかもしれませんが、私は映画『サイレントヒル』を観たのです。
そもそも、おそらくも何も「プレイステーション2用のゲームが原作だそうだが、そちらはやっていないので、ストーリーやキャラクターの同一性は分からない。」以外にゲームには触れてる部分はないですよ。

コメントを投稿 携帯電話からは投稿出来ません