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『逆境ナイン』 男なら逆境においてこそ燃えろっ!

B000CFWRI6.jpg『逆境ナイン』(2005) 115分 日本
監督:羽住英一郎 製作:平井文宏、阿部秀司 プロデューサー:門屋大輔、山際新平 プロデュース:奥田誠治、堀部徹 企画:亀井修、西垣慎一郎、重松修 、椎名保 原作:島本和彦 脚本:福田雄一 撮影:村埜茂樹 美術:北谷岳之 編集:松尾浩 音楽:佐藤直紀 VFXスーパーバイザー:貞原能文
出演:玉山鉄二、堀北真希、田中直樹、藤岡弘、、柴田将士、出口哲也、寺内優作、坂本真、青木崇高、土倉有貴、堺沢隆史、栩原楽人、炎尾燃(島本和彦?)

 マカロニウエスタン風な音楽をバックに風を巻き起こしながら廊下を進む主人公。いきなり全力学園校長(藤岡弘、)から万年一回敗退の野球部廃部を言い渡される。廃部よりも部費を削る方にしてくださいといった主人公不屈闘志(玉山鉄二)は校長に殴り倒される。
「屈辱に満ちた部存続よりも、いっそのこと廃部の方が男らしいだろう」という校長に、不屈は一世一代の大ばくちを打つ。

「校長、オレたちと一緒に甲子園で戦いたいと思いませんか?!」
 男がもう引き返せない一歩を踏み出した瞬間だ。

 こうして不屈闘志をキャプテンとした野球部ナイン一同の逆境との戦いが始まる。

「逆境とは、思うようにならない境遇や不運な境遇のことをいう!!」
 そしてその逆境の中で、全力ナインは己を磨き戦い続けるのだ。

 島本和彦の原作は好きだ。大好きだ。
 だが、これを映画化するという話を聞いて、そりゃちょっと無理じゃないかと思った。
 大ゴマや見開きといった漫画的技法を存分に盛り込んだ原作を映像化できるのだろうか。あの熱さを島本イズムを映像化できるのか。
 観るまではかなり不安だった。
 だが、最初の数分でそのおそれは吹き飛んだ。

 面白れぇぇっ!

 原作は熱さ+ギャグであくまでも熱さがメインだったが、映画はギャグをメインにしている。やはりそうするしか映像化は難しかったのであろう。

 原作は愛蔵版ワイドコミックで全四巻のボリュームで、全力学園野球部が甲子園で優勝するまでを描く。
 一方、映画は地区大会を優勝し、甲子園出場を決めるまで。
 他にも、部員の内何人かが試合に出られないこととなり、代わりの部員を集めるところもカットされている。
 なにより、女子マネージャーは脇役でヒロインが別にいるところを、融合させてマネージャーがヒロインとなることでストーリー展開をスムーズにしている。
 原作は原作、映画は映画ときちんと割り切った良い脚本だ。

 やたらと熱いことを熱く語る島本イズムはマジである。本気なのだ。
 それは島本和彦が書いたコミックの中だから説得力があるのだが、映画にすると少々苦しい。
 かの伝説的名台詞「それはそれ これはこれ」もそのまま叫んだだけではギャグにしかならない。
 ならばいっそのことギャグとしてやろうじゃないか、バックに巨大な石碑をゴゴゴゴッと登場させようじゃないかと企画段階で決まったと考える。
 一々おおげさな描写、『少林サッカー』を思わせるCGの使い方。笑える。CGは要所要所に効果的に使っていて、記憶に残る割に使っている量は少なそうだ。そこら辺も上手い。
 「自業自得」と刻まれた巨大な石版が野球部部室裏に落ちてくるのだが、これがその場限りのギャグかと思いきや、ずっとそのまま存在し続けて、マネージャーがモップで磨いたりしている。なんやねん、それは。わはは。

 不屈闘志が線の細い二枚目になっているのが不安だったが、熱い、こいつは熱いぞ。不屈だ、不屈闘志だ。
 校長役の藤岡弘、は普段から熱い人だが、さらに熱い。でも、本当はサカキバラ監督役をやって欲しかった。
 残念だったのがサカキバラ・ゴウの田中直樹。田中直樹が悪いわけではないが、彼を演じきれるのはそれこそ藤岡弘、クラスの熱い役者じゃないと無理だ。

 ラストは122対0から不可能としか思えない逆転劇。嘘は大きければ大きいほど面白い。夜を越して朝までの長試合。そしてもちろん最後には勝つのだっ!
 122対0なんてマンガだろと思われがちだが、何年か前の甲子園予選で100何対0という試合があった。現実だって負けてない。いや、こちらは0のまま負けたようだが。

「男にはやらなければならない時がある」
「そして今がそのやらなければならない時だ」
「そして俺たちは男なんだ」
 の男の三つの条件が格好良い。

 影の主役が商店街や駄菓子屋に登場する野球少年。
 最初はサッカー少年たちにいじめられているが、駄菓子屋のテレビで三重県大会決勝戦をサッカー少年たちと見て、ついには友達になる。
 それにしても三重県の話だったのか。
 そういえば、愛知県の新聞に三重県の野球場で行われるロケのエキストラ募集について広告が出ていたらしい。
 映画を観る限りではあまり集まらなかったようだ。

 とにかくイカすバカ映画だ。オレも観るから君も観ろ。

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