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『沈黙の脱獄』 どいつもこいつも皆殺し

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『沈黙の脱獄』(2005) TODAY YOU DIE 91分 アメリカ

監督:ドン・E・ファンルロイ 製作:ランダル・エメット、ジョージ・ファーラ、フィリップ・B・ゴールドファイン、ダニー・ラーナー、スティーヴン・セガール、レス・ウェルドン 製作総指揮:マンフレッド・ハイド、グレッド・コーチリン、ジョセフ・ローテンシュレイガー、アヴィ・ラーナー、ダニー・ラーナー、アンドレアス・ティースマイヤー、レス・ウェルドン 脚本:ケヴィン・ムーア、ダニー・ラーナー、レス・ウェルドン 撮影:ドン・E・ファンルロイ 編集:ロバート・A・フェレッティ 音楽:スティーヴン・エドワーズ
出演:スティーヴン・セガール、アンソニー・“トレッチ”・クリス、サラ・バクストン、マリ・モロウ、ニック・マンキューゾ、ロバート・ミアノ、ケヴィン・タイ

 スティーヴン・セガールは盗賊。麻薬売買などで財を成した富める者から奪い、貧しい者へと与える義賊だ。
 その名をデニス・ムーアといい、ルピナスの花を専門とする。・・・ごめん、後半嘘だ。でもこの出来ではついつい嘘も付きたくなってしまう。

 チャック・ノリスの『地獄の銃弾』、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの『ザ・コマンダー』、そしてこの『沈黙の脱獄』と3本まとめて借りた。どの作品も、主演は俳優のファンでなければあまり価値のなさそうな作品揃いである。
 スティーヴン・セガールと刑務所の組み合わせだと『奪還 アルカトラズ』(2002)がある。こちらはセガールファン以外でも楽しめる作品だったと思う。
 今回のはファンにしか勧められないだろう。それも最近の勢いのなくなったセガールでも気にならないファンだ。
 そう、セガールの勢いは落ちた。1990年代後半の脂ののった時期が続けば、もっと一般のファンも増えていたんだろう。今ではさっきも書いたがファン層はニッチだ。最近では作品ではなくセガール本人の身体に脂がのっている。

 冒頭近くの街中でのカーチェイスはなかなか良いなと思ってみていたら、現金輸送車やパトカーが大爆発するシーンはミニチュア撮影。しかもちゃちい。あれならば別に爆発なしの方が良かったのではないだろうか。

 盗賊から足を洗い現金輸送車の運転手になったセガール。しかし、それは悪党の罠で、セガールは現金強奪・殺人犯として刑務所送りになる。
 タイトルには『脱獄』とあるが、『アルカトラズからの脱出』や『ショーシャンクの空に』などのような脱獄物ではない。緻密さも執念もなく、チャールズ・ブロンソンの『ブレイクアウト』を思わせるようなアバウトな脱獄である。計画が出てきたなと思ったらあっという間に外の世界へ。早い早い。
 ついでにいうと刑務所映画でもない。では何映画かというと、やはりセガール映画なのであろう。

 あれこれと語られてきた予知能力も黒魔術もストーリーにはまるで関係ない。最後は例によって銃撃戦と格闘。謎などなかったかのように唐突に登場する悪の親玉。
 セガールは陥れられた復讐を果たし、殺すべき連中を全員ぶち殺す。
 そんな残虐な男がラストに、「義賊で貧しき者へと富を分け与える良い人です」ってことになってもちと「?」

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