
『マインドハンター』(2004) MINDHUNTERS 101分 アメリカ
監督:レニー・ハーリン 製作:ケイリー・ブロコウ、ロバート・F・ニューマイヤー、ジェフリー・シルヴァー、レベッカ・スピンキングス、スコット・ストラウス 製作総指揮:モリッツ・ボーマン、ガイ・イースト、アキヴァ・ゴールズマン、レニー・ハーリン、ベイジル・イヴァニク、ナイジェル・シンクレア 脚本:ウェイン・クラマー、ケヴィン・ブロドビン 撮影:ロバート・ギャンツ 編集:ニール・ファレル、ポール・マーティン・スミス 音楽:トゥオマス・カンテリネン
出演:LL・クール・J、ジョニー・リー・ミラー、キャスリン・モリス、ヴァル・キルマー、クリスチャン・スレイター、パトリシア・ヴェラスケス、クリフトン・コリンズ・Jr、アイオン・ベイリー、ウィル・ケンプ
レニー・ハーリンというと『ダイ・ハード2』や『クリフ・ハンガー』などド派手な映画の印象が強いが、実は多少低予算気味のいわゆるB級映画向きの人材だなと思わせる1本。
そもそも名前が売れたのが『エルム街の悪夢4/ザ・ドリームマスター最後の反撃』(1988)である。
その後、アクション映画路線に進んだ、あるいは進まされてしまったのが彼の悲劇なのかも知れない。
FBI分析官になるため、選び抜かれた捜査官が訓練を受けている。その最終テストが外界から閉ざされた孤島で行われた。
その島は普段海軍が訓練に使っており、模擬戦闘用にアメリカの地方都市中心部が再現されている。実際の街そっくりだが荒れ果てており、人間の代わりのマネキン人形と、そして猫がいるばかりだ。
架空の連続殺人鬼の捜査をすることになっていたが、実際に街に乗り出した彼らは、一人また一人と本物の殺人鬼の罠によって殺されていく。
Croaton(劇中ではクロアトアンと呼ばれているが、クロートンと書かれる場合もある)という単語が登場する。アメリカへの移民時代初期、ローアーク島から100名を超える人間が姿を消した事件で、たったひとつ残された手がかりだが、その謎は解けていない。マリーセレスト号事件などと並ぶ集団失踪事件の一つだ。
犯人はローアーク島に見立てて、その島の住人、つまり捜査官全てを殺そうと企んでいるのだ。
生き残るために彼らは捜査を始めるが、孤島に彼ら以外の人間はいない。となると仲間の中に犯人がいるはずだ。互いに怖れ疑い、疑心が溢れていく。
孤島で一人また一人と殺されていくとなると、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』などが思い浮かぶが、この作品はミステリーではないだろう。むしろ、最近では下火になったがサイコスリラー色が強い。
実際の犯人は姿を現さず、様々な仕掛けで殺人は起きる。
登場人物の心情や性格が分析されており、その人物ならば必ずこうするはずという読みの元で仕掛けられた罠が必然であったかのように、犯人が時計で指定した時間に発生する。パズルじみたその仕掛けが面白い。事件が起こる前にクロスワードパズルやルービックキューブが登場するが、事件を予感させる布石であろう。
そして実はもう1本の『ディープ・ブルー』(1999年のレニー・ハーリン作品)でもある。鮫と殺人鬼の違いはあるが、意外な人物の死からラストまでストーリー自体はほとんど一緒。
終盤の暴走気味な所も含めて、なかなか楽しめた作品だった。