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映画バカ青春記 第123章 『きしむ男』の脚本要約版

タイトル 「きしむ男」

広場のベンチ
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男Aのアップ
「うーん?うーん?」と首を捻っている。

主人公と男Aがベンチに座って本を読んでいる。
主人公は百科事典のような大判の本を読んでいる。
男Aが読んでいるのは『ウォーリーをさがせ』。悩んでいたのはウォーリーがどこにいるか分からなかったからだ。

主人公が男Aに話しかける。
「なぁ。なぁ。・・・なぁって言ってんじゃん」
それでも男Aは無視してウォーリーをさがし続けている。
主人公がページの一点をつついて「ここ、ここ」
男Aはその手を払いのけ、相変わらず首を捻っている。
主人公はベンチを乗り越えて、本を抱えたまま去っていく。
男Aのアップ。その10メートルほど後ろを主人公が本を読みながら右から左に通り過ぎていく。


道路
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主人公が本を読みながら道を歩いている。
そのまま交差点を横断しようとする主人公。
ビー、ビーとクラクションの音が鳴り響く。
右側から現れた原付が急ブレーキをかけて止まる。
原付の男「どこ見てんだ、馬鹿野郎」
主人公を罵ると、原付は走り去る。
右左右と確認してから再び本を読みながら交差点を渡る主人公。



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くるぶし辺りまでしか水がない浅い川。
そこを赤いジャージの男が右から左へと走り抜けていく。


川沿いのベンチ
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主人公がベンチに座り本を読み続ける。
川の堤防を乗り越えてジャージの男が登場。
ランニングしながら主人公の前を通り過ぎて、また戻ってくる。
ジャージの男「何やってんだよ若いもんが。運動しろよ運動」
そして主人公の本を奪って画面から走り去る。

主人公はハードカバーの本を取り出して読み始める。
ジャージの男が現れ、「健全な魂は健全な肉体に宿る」と本を奪いさる。
主人公は文庫本を取り出して読み始める。
ジャージの男が「見よ、このカモシカのような肉体を」と本を奪いさる。
主人公は豆本を取り出して読み始める。
ジャージの男が「運動の秋だぜ」と本を奪いさる。

全ての本を持って行かれてしまった主人公は、それまで無表情だったのがむかついた顔になり、右の拳を握りしめる。そして、ジャージの男を追って走り出す。
しばらく追跡劇が続くが、ジャージの男がひらりと飛び越えたフェンスを主人公はなかなか乗り越えることが出来ず見失う。
ぜいぜいと息を荒立てながら立ち止まる主人公。
どこからかジャージの男の「あー、いい汗かいたなぁ」という声が聞こえる。
はっと上を見上げると、そこには陸橋があり、そこでジャージの男が整理体操をしている。
主人公は慌てて陸橋を駆け上るがすでにジャージの男の姿はない。
手すりに身をもたれて「あーあ」とつぶやく主人公。


路上の自販機
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主人公の友人が自販機でジュースを買おうとしている。
後ろポケットに手をやるが財布が見あたらない。
前ポケット、胸ポケットへと左右の手を動かしている内に、ブロックサインの動きになっている。

グラウンド
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野球のユニフォームを着た野球選手(東森時音)がカメラに向かってうなずくと、バッターボックスに入り初球を打つ。
カキーンと打球音。


路上の自販機
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友人がカメラに向かって「よしよし」とうなずく。
そしてジュースを買う。


読書部部室
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部室の中はパイプ椅子に座った読書部の部員がすし詰めになっていて、みんな無言で本を読んでいる。
部室に入ってきた主人公がドタドタとその上を乗り越えて奥へ入っていき、折りたたみ式のパイプ椅子を持ってくると部員たちの中央に座る。
主人公「いやー、ほんと今日はまいったよ」
部員の一人に話しかけるが、部員は読書に夢中で主人公を無視して背中を向ける。
他の部員に「こんなついてない日もあるんだよな」と話しかけるが、その部員も背中を向ける。
主人公「こんなヤな日もあるなんて、ほんとついてないよな」
残りの部員たちが一斉に背中を向ける。
落ち込んだ様子の主人公。
そこへ友人がジュースを飲みながら登場し、あれ?という感じで部室内を見る。
そして主人公に「飲む?」とジュースを渡す。
主人公「ありがとう」
友人「全部いいから」


建物出入り口
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建物からまず友人が出て行く。
続いて主人公が出てきて、外の日差しに額に手をかざす。

主人公のアップ
ポケットからブルース・ブラザース風のサングラスを取り出すと顔にかける。
いきなり左頬にビンタをくらう。
黒いコートなど黒ずくめの男がサングラスを奪う。そして自分がかけると
黒の男「ガキが気取るんじゃない」と渋い声で言い残して去っていく。

主人公はその後ろ姿を睨みながら左の拳を握りしめるが、ジャージの男の記憶が甦って拳を下ろしてトボトボと歩き去る。


道路
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主人公は友人と一緒に小学校脇の道路を歩いている。
友人「まあ、ついてない日もあるって」
友人「元気出せよ」
友人「落ち込んでばっかりいるとろくな事がないぜ」
色々と話しかけるが、主人公はうつむいたまま。
バッバッーと車のクラクションが鳴り響く。
はっと驚く二人

二人が小学校のフェンスにしがみついている。
そこをトラックが通り過ぎていく。
友人「だからろくでもないことになるって言っただろ」
主人公は「わー」と叫びながらフェンスを乗り越えると、そのまま走り去っていく。
小学校からキーンコーンカーンコーンとチャイムが聞こえてくる。


階段
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小雨の降る中、主人公は傘も差さずに歩き続ける。
屋外の階段を上っていると、下ってきた男Bと鉢合わせる。
右に避けようとすると男Bもたまたま同じ方向へ避ける。左に右にと同じ事を繰り返した後、男Bは主人公を乱暴に押しのける。

怒る気力もなく、力ないまま階段を上っていく主人公。


通路
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小雨で濡れた路上にバナナの皮が落ちている。
主人公はバナナの皮に気づかずに、そのまま滑って転ぶ。
バナナの皮を拾って放り投げると、癇癪を起こす主人公。

路上に落ちたバナナの皮のアップ。


橋の上
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欄干にもたれて川の流れを眺め、ため息をつく主人公。
視線を上げはっとする。
カメラが主人公の横顔から左へパンしていくと、堤防の上をジャージの男が走っている。
主人公はその後をつけていく。


路上
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ジャージの男はランニングの足を止め、ポケットからバナナを取り出すと美味そうに食べる。
そしてバナナの皮を放り捨てると再びランニングを始める。
こそこそと後を付けてきた主人公はまたバナナの皮に滑って転ぶ。

しかし、痛む足をさすりながらも追跡を続ける。

ジャージの男が後ろからの視線を感じて振り向く。
主人公は近くにあった看板の後ろにとっさに隠れる。
ジャージの男は首を捻っていたが、また歩き出す。
主人公はマスクを取り出すと変装のために着用する。
看板の影から出たところを左の頬にビンタをくらう。
黒の男がマスクを奪うと「何度言ったら分かるんだ」と言って、自分がつけてそのまま立ち去る。

主人公は右と左の拳両方を握りしめる。
ジャージの男のいる右側と黒の男がいる左側を交互に見てから、拳で自分の頬をポカポカと叩くと、ジャージの男を追いかける。


電話ボックス
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ジャージの男は電話ボックスに入る。
その外に主人公が新聞を広げている。
新聞にはある人物の大きな写真が載っている。
写真の左目の部分が裏側から指で穴が空けられ、そこからじろりと主人公の目が睨む。

主人公は新聞越しに様子をうかがいながら、電話ボックスのぐるりと回る。

ジャージの男が電話ボックスから出て、画面の左へと消える。
主人公はその後を追う。

乱闘の音

画面の左からよろよろと主人公が現れて、ばったりと倒れる。


公園
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小さな白い花のアップ。
その花を眺める主人公の回りにどこからかシャボン玉が飛んできて、軽く微笑む主人公。

「オーライ、オーライ」の声と共にキャッチボールで逸れたボールと受け取ろうとした男が走ってきて、花が踏みつぶされる。
主人公は花を元に戻そうとすると、折れた花は倒れたまま。
呆然とする主人公。


自宅
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主人公が自宅のアパートで膝を抱えてしょげている。
トントントンとノックがするが主人公は座ったまま。
しばらくしてまたノックがするので、しょうがなさげに立ち上がる。
玄関のドアを開けると友人が立っている。
友人「よぉ」

*ここからセリフや物音はなくなり、音楽だけが流れる。

テーブルの上にいくつも転がるビールの空き缶。
二人はどうやらテレビを見ているようだ。
友人は笑っているが、主人公は落ち込んだまま。
主人公にビールをすすめる友人。
次第に主人公も笑顔がこぼれるようになり、ついには二人して肩をたたき合って爆笑している。


青空の屋外
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*そのまま音楽のみ

青空の下、主人公がうーんと背を伸ばしてから歩き出す。
ゆっくりと歩いていく。植え込みの向こうを歩いているので足元は観客に見えない。
音楽が止まり、ズルッと音がして主人公が転ぶ。

カットが正面に切り替わる。
地面に横たわった主人公の足元にバナナの皮が落ちている。
バナナの皮を拾い上げ、わはははと笑う。

*ここからピチカート・ファイブの歌『バナナの皮』が流れる。
「バナナの皮ですべって転んで、僕はずいぶん痛かった
誰もがみんな憂鬱そうだったのに、僕を指さして笑った
ごらんそんな時だけ世界中うまくいってる気がする
笑え僕のことを 笑えお腹抱えて」

主人公は立ち上がるとしっかりとした足取りで歩いていく。

バナナの皮のアップからフェードアウト。

エンドクレジット
*引き続き『バナナの皮』が流れている。

クレジットが終わると、男Aがオープニングの時と同じベンチに座って、相変わらずウォーリーを探している。

男A「うーん、いないなー」

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