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映画バカ青春記 第95章 停滞からの発進

 94章の書き方だとスムーズに完成まで行き着いたように思えるが、実際はそう簡単にはいかなかった。
 現像からあがってきたラッシュフィルムを観て、「あーダメだダメだ、才能ない、下手だ下手」と頭を抱え込み、編集に取りかからずにそのまましまい込んでしまった。
 そしてそこへ年度末試験の襲来。
 3度目の年度末試験ともなると慣れてきて簡単簡単・・・というワケにはいかない。
 単位が取りやすい講義から受講していったので、そろそろ手応えのある試験が増えてきたのだ。
 しかも、バイトバイトで講義への出席率はおろか、学校への登校日数も少ない。
 ツテとコネを利用して、可能な限りノートのコピーと予想問題集を集めた。細かく勉強している時間はない、短期決戦である。
 普通にやっていれば2年生で終わっている外国語だが、オレはまだ英語を2単位、ドイツ語を1単位残していた。これが一番の強敵だ。
 ドイツ語のテストは辞書持ち込み可だった。そこで、辞書に例文を小さな文字で余白に書き込んで試験に挑んだ。チラチラと辞書を除いていたら、担当講師がオレの辞書をバタンと閉じ持って行ってしまった。カンニングがばれたのだ。しょうがないので自力で挑んだ。
 大学の試験はカンニングが発覚すると全科目の単位が不可となる。辞書を取り上げるだけで済ませてくれたのは、温情ある行為だったのだ。あー、やばかった。
 自力で挑んだドイツ語はなんとか可を取った。英語は2単位のうち取れたのは1単位で、4年に1単位残した。
 まぁボチボチの成績だった。これなら4年で必要単位を取得するのは大して難しくないだろう。

 そして春休みが過ぎ、1990年度が始まった。
 次回作をどうしようかな、まずは2、3ヶ月ほったらかしと未完成で終わった『茶の間の生活』のフィルムをもう一度観直して、どこがダメだったか反省点を洗い出すところから始めよう。
 そして部室でラッシュフィルムを上映してみると、あれ?面白いぞ、これ。
 勘違いかなと思ってもう一度観直すと、やはり面白い。
 大雑把に1本のフィルムに編集してみる。やっぱ面白い。
 これはお蔵入りはもったいないと、本気で編集作業に取りかかった。
 2作目ということもあって段取りは分かっている。相変わらずバイトが忙しいが、その合間を縫って作業を進める。
 編集は相変わらず楽しい。これぞ映画作りだ。
 そして音入れをして完成。一度は見捨てようと思った作品とは思えない面白さ(自画自賛)

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