『家族の値段』(1989年9月撮影)の制作中に、二度ほど体調を崩した。
一度は岡崎の旧市街地でのロケの最中で、唐突に気持ちが悪くなって、現場を離れて側溝に向かって吐いた。吐いても吐いても吐き気が止まらず、黄色い胃液まで出てきた。
近くの自販機でアップルジュースを買って飲み、一息入れるが、すぐまたそれも吐いてしまった。
しばらくうずくまって、落ち着いたので現場復帰。「どこ行ってたんだ」と怒られたので「すみません、トイレです」とあやまる。
次いで、スタジオ撮影。
なんか身体が痒いなとボリボリやっていると、ディレクターが「お前、それどうしたんだ」と言ってくる。
鏡を見ると、顔面がじんま疹でボツボツに腫れていた。上着をめくってみると上半身もボツボツだらけで赤く腫れ上がっている。
「いや、大丈夫です。痒いだけですから」と答えたが、「今日はU場に任せて帰れ」と帰宅を許された。
家に帰って熱を測ると、確か39度近くあった。医者に行って点滴を打ってもらったら、じんま疹はすーっと嘘のように引いたが、熱は下がらず、結局翌日も休んでしまった。
撮影が入ると仕事は一気に忙しくなる。
SDの仕事は雑用が中心で、誰よりも早く仕事を始め、誰よりも遅く終わる。
それは覚悟の上だし、そんなに不満とかはなく、楽しくやり甲斐があった。
だが、どうもその気持ちに対して、身体が追いついていないのだ。自分ではまだまだやれると思っていても、身体が先に降参してしまう。
体力無いなぁ。体力付けなきゃなぁと、とりあえず飯を食った。