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映画バカ青春記 第89章 第三の男

 ドラマの仕事ももちろんやっていた。
 これは確か1989年9月を中心に撮影が行われたと思うのだが、『家族の値段』(全二回・1990年1月放送)という作品があった。
 佐久間良子・織本順吉・川野太郎・三田寛子・山田昌さんらが主演の花火師一家を舞台に家族の絆についてがテーマのドラマ。
 この場合の花火師は花火を作る職人の方で、愛知県の岡崎市・蒲郡市には数は少ないが花火職人がいるのだとか。これは知らなかった。
 何故だか分からないが一家の主である夫が失踪してしまって、それに振り回されながらも仕事の納期も遅らせちゃいけないと、悩みながら踏ん張るのが主人公の佐久間良子さん。息子夫婦が川野太郎さんと三田寛子さん。失踪した夫の母親でこてこての名古屋弁のおばちゃんが山田昌さん。
 全4話で富山は砺波市でのロケもあった『熱きまなざし』と比べると、話数は半分だし、ロケも名古屋から車で1時間ほどの岡崎が中心だったので、多少楽でした。
 それでも、SD(サブ・ディレクター)がもう一人欲しいなぁというので、心当たりを当たってみた。
 その人物とは大学のシネ研で先輩当たるU場氏。U場氏は3学年上になるので、この当時はすでに卒業して2年目になっていたが、特に就職をせず所謂フリーター生活をしていた。プロ志向のある人だったので、NHKでのバイトの話は「うん、やるよ」と即答で、面接での評価も高かったようで、すんなり採用になった。

 これでSDは三人になった。全員とも名城大学の学生ならびにOB。このままいくと、数年後にはNHK名古屋は名城大学で埋め尽くされてしまうような、まぁそんなこたぁありえないわけですが。

 普通ならば決して入ることの出来ない花火工場の現場をロケで見学できたのは経験だった。
 回りに何もない山の中にあって、ところどころに万が一爆発事故が起きたときに隠れるコンクリートの遮蔽物がシェルターとしておいてある。
 線香花火や手持ち花火ではなく、花火大会で使われる尺玉など打ち上げ花火を作っているから、万が一事故が起きたら空爆状態だと推測される。考えようによっては命がけの仕事だ。

 U場氏はひょうひょうとしているが、頭が切れテキパキと仕事をこなしていくタイプ。
 サークルでは先輩だが、仕事場ではオレが先輩だぁと張り合ったりしながら撮影は進む。

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