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映画バカ青春記 第88章 続々東森時音貸します・SFX映画の世界

『ミクロの決死圏』が終わって番組も後半に突入。
 そして2人目のゲストが登場。中子真治氏である。
 一般の知名度はちょっと低めかもしれないが、1980年代後半にSFX映画のファンだった人にはお馴染みだろう。氏の著書『SFX映画の世界』シリーズはSFX映画少年だったオレにはバイブル的存在だった。その中子真治氏である。
 中子氏と一緒に特殊メイクアップアーティストが登場した。アメリカで活躍している特殊メイクマンで、『ゴースト・ハンターズ』(1986)などにも参加していたはず。中子氏が著作の中で“少年”と呼んでいる人物だ。たまに勘違いされているが、スクリーミング・マッド・ジョージではないので念のため。
『ミクロの決死圏』上映中に中子氏はすでにスタジオ入りしていた。ちょっと手持ちぶさたな感じだった中子氏に、雑用が一段落していたオレは恐る恐る話しかけた。なにしろ『SFX映画の世界』文庫版全4巻をすり切れるほど読んだ身だ。柄にもなくあがっていた。
 おかげでスタジオで何を話したかあまり憶えていないが、
「最近はSFXよりもアールデコに興味があって、そちら方面の本を書いているんだ」
 というのは「ふむむそうなんだ」とはっきりと記憶している。
 アールデコが美術様式の一つだと言うことは知っていたが、それ以上のことはR・田中一郎の妹がアールデコだったよな、という知識しかなかったが、さすがにそのネタは言えなかった。

 スタジオからの中継が始まり、アナウンサーが中子氏や少年にあれこれとインタビューをした。正直、「SFX映画に関してはこの人を置いてないという人物相手に何を聞いとんじゃ」という内容だった。
 二人はそのまま番組の最後までゲストとして出演した。
 番組終了後に後片付けで走り回っているオレに中子氏が声を掛けてくれた。
「これから少年と一緒に飲みに行くんだけど、良かったら一緒に来ない?」
 行きます、行きます、行きます。
 もちろん行かせていただきますと返事をした。
 メインのスタッフは簡単な反省会をやるようだったが、オレはヘルプのスタッフなのでそちらに参加する必要はない。反省会の代わりに、中子氏と少年、そして名古屋の映画関係者1人を含む、合計4人での打ち上げとなった。

 中子氏が馴染みにしているという店に行った。
 オレたちがいつも飲み会をやっている居酒屋とは違い、おしゃれな感じのバーだった。
 面子にもそうだが、慣れない雰囲気の店にも緊張した。
 緊張の余り、カクテルをジュースのようにカパカパと飲んだ。
 すっかり出来上がってしまって、少年さんに「オレはそのうち映画監督として商業映画を撮りますから、その時は特殊メイクをお願いしますね~」と無理矢理約束を申し込んだ記憶がある。恥ずかしい記憶だ。
 1980年代末、日本映画にもSFX映画はいくつもあったが、正直作り手がその技術を生かし切れているとは思えなかった。そういったことについても話した。
 監督とSFXマンの間に入り、コーディネートする人が必要じゃないのか、などなど。
 その後、中子氏は『学校の怪談』(1995~)シリーズでSFXスーパーバイザーを勤めた。『学校の怪談2』は岐阜の山中でロケが行われたが、中子真治氏が岐阜出身であることも関係あるのだろう。
『学校の怪談』シリーズでは、要所要所にベストなSFXテクニックが効果的に使われ、おそらく使われているだろうと予想される資金以上の物を作り出していた。

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