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映画バカ青春記 第85章 『熱きまなざし』撮影完了

 ロケ・スタジオと撮影が続いた『熱きまなざし』もついに撮影が完了となった。
 打ち上げの宴会が開かれ、ちょっと調子に乗りすぎてはしゃいでしまった記憶があるが、まぁ学生バイトの愛嬌だ。村上弘明さんはほんといい人でした。砺波ロケでは一緒に風呂に入った仲!

 SD(サブ・ディレクター)の仕事は後は残務処理だけ。ようは後片付けだ。
 撮影の最中に取りあえず積み重ねられた資料を整理し、まとめ、返すものは資料室に返し、取っておく物は段ボールにまとめて倉庫にしまう。そして捨てるものは捨てる。
 ロケの撮影はベータカム、通称ベーカムというカメラで撮影された。これはソニーのベータ方式を業務用に改良したもので、基本はベータだが、民生用だと2時間録画分の長さのテープで、それを高速でぶん回すことで、確か30分ほどしか録画できない。テープの素材自体もより高精度のものを使っているが、見た目はベータのカセット。それが廃棄処分の山に10本ほど積まれていたので、何本かもらってかえった。
 第17章にも書いたが、家が初めて買ったビデオはベータで、大学に入ってからバイト料でVHSのデッキを買ったが、それまでに集めたソフト資産の問題で(まぁ、そんなに本数があるわけではないが)ベータのビデオも相変わらず使っていた。
 そのベータのデッキでベーカムのテープが使えるんじゃないか。ほら、形同じだしと、半ば冗談で使ってみたらちゃんと録画再生が出来た。ベータのテープをベーカムで使うことはできないだろうが、なるほど基本の技術は同じなんだ。

 撮影が終わってからが編集や音入れの勝負が始まるのは、TVドラマも自主映画も同じ。
 ただ、そちらに関してはオレはほとんど仕事がなかった。専門の仕事でSDの出る幕ではない。だが、ちょっと無理をお願いして1時間ほど同席させてもらって勉強までに作業を見ていた。まだノンリニア編集の時代ではなく、ビデオテープを早送りだ巻き戻しだしてやるのだが、オリジナルのテープではなく編集用のコピーで、それを使ってどのテープのどのタイミングで始まってどこまでを使うというタイムレコードを記録していく。
 そして最終的にそのタイムレコードでオリジナルのテープからオンエア版を作り出すのだ。
 8ミリフィルムの編集は、山のような8ミリフィルムの山との格闘だったが、TVドラマの編集は清潔な部屋で、演出のディレクターと記録係の女性がてきぱきと進めていくより進歩的なものだった。

 この頃ですでに8月に入り、シネ研の方にいっても夏休み中なので人がおらず、予定としてあるのは夏合宿だけだ。
 他にやることもないので、毎日のようにNHKに出勤していた。次のドラマ製作開始までまだ間があるため雑用が主だったが、他部門の公開ロケや公開スタジオ生放送などのスタッフとして貸し出された。

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