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映画バカ青春記 第80章 NHK名古屋制作部ドラマ班でバイトを始める

 名古屋の映画研究会の集まりでナックというのがあった。そこ経由で、名古屋のNHKが高校野球を題材にしたドラマを作っているのだが、坊主頭にしてくれるエキストラを探しているという話が来た。
 ここまでならそれほど食指が動く内容ではなかったが、ついでといっては何だが、アシスタント・ディレクターも探しているというではないか。オレはその場でNHKの担当者に電話を入れると、床屋に行って五分刈りにしてもらって坊主頭で栄にあるNHKに面接に行った。坊主頭にするのが嫌さに越境入学でN中学ではなく半田中学に入ったオレが、自らの意志で20過ぎになってから坊主にするとは思わなんだ。
 面接の相手はディレクターのM本さんという人だった。
 とにかくやる気をプッシュプッシュプッシュ、アピールアピール。アシスタント・ディレクター、NHKではサブ・ディレクターと呼んでいたが、そのSDだけじゃなくて坊主にもします。エキストラとしても働きます。だから使ってくださいくださいください。
 端っから坊主頭にしてきた熱意が通じたのか、他に人がいなかったのか、オレは採用されてSDとして名古屋のNHK制作部ドラマ班で働くことになった。しかし、SDというとどうもSDガンダム風というか、2等身キャラになった感じだ。

 オレが初めて現場に入ったドラマは『熱きまなざし』(1990年放映)という富山の砺波市を舞台とした高校野球を題材にしたドラマだった。主演は村上弘明さんで、他に高村高廣さん、野際陽子さんなどが出演していた。
 1989年の6月から7月。仕事は富山ロケから始まった。
 名古屋から富山まで通いで行くわけにもいかず、当然泊まり込み。スタジオからではなく、いきなりロケから現場を経験したのは正直過酷だった。
 SDの仕事は誰よりも早く始まり、終わるのは誰よりも遅い。朝は6時頃には起床、夜は仕事が終わるまで。ロケなのでそうそう遅くまでは撮影はないが、何日かは夜景の撮影があって、終わってすべて片付いて宿に戻ってきたときにはすでに翌日だ。
 時には弁当を抱えて走り、時にはエキストラとして画面の片隅に映り込む。とにかく駆けずり回った。忙しかったが実に充実して楽しかった。映画じゃなくてテレビだが、これがプロの現場なんだっ!

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