映画バカ青春記 第78章 映画館でアルバイト

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 名古屋に下宿することになったので、半田市でやっていたバイトを辞め、名古屋で新しいバイトを探すことになった。
 こういう時にサークルに入っていると便利で、部会で「名古屋でバイトを探しています」と発言したところ、「じゃあバイト先で人が必要じゃないか聞いてみるわ」と何人かの部員が言ってくれた。
 そして見つかったのが映画館の仕事だった。場所は名古屋の繁華街“栄”、そこの東映会館だ。
 当時、東映会館は3つの映画館からなっていた。二階席があり1000人は収容できる名古屋東映、地下にあり300人程度の東映パラス、2階にあり150人程度のの東映パラス2だ。
 現在では名古屋東映は潰されて跡はゲームセンターとカラオケボックスになっていて、東映パラスが名古屋東映に、パラス2がパラスと2館構成になっている。1989年の名古屋には大スクリーンで有名なヘラルドシネプラザ1や名鉄東宝、名古屋松竹など1000人規模の劇場がいくつかあったが、現在では名鉄東宝の様に2つの劇場に分けられたり、シネプラザの様に閉館するなどしてすべて無くなってしまった。今や郊外型シネマコンプレックスの時代である。
 当時の東映は『ビーバップハイスクール』や『あぶない刑事』など、まだまだ1000人劇場を満員にするラインナップを確保していた。
 券売り場は劇場の正面にあって、そこにはパートのおばさんが詰めていた。オレたち学生のバイトがやるのは劇場のチケットもぎりと売店の運営だった。
 混むときはすごく混む。チケット売り場に行列が出来たり、立ち見客が出たぐらいだ。だが、入らないときはこれでもかってぐらいに人が入らない。名古屋東映だとさすがにそれなりには入るが、オレのシフトだとパラスやパラス2に入ることが多かった。人気のない作品で平日の日中だと、ひたすら暇。土曜日の夜から日曜日の早朝までオールナイト興行が行われるが、これなんかさらに暇。
 寝て過ごすわけにもいかないので、本を持ち込んで耐える。今だったらノートパソコンでも持ち込むところだ。オールナイトは通常のバイトよりも100円だかバイト料が高かった記憶がある。
 だが、バイト料以上にうれしかったのが、名古屋市内の映画館で使えるパス券の存在だ。名古屋の映画館による組合があって、そこで出しているパス券だ。組合に加入している映画館、これは名古屋の映画館のほとんどだったが、そこにそのパス券を持っていくと、平日ならばタダで映画を観られた。パス券は一つの劇場に一つしかなくて、その都度支配人に頼んで借り出すのだが、オレはほとんど借りっぱなしでオレ専用にして使っていた。
 東映でバイトをしていたのは半年ほどの間だったと思うが、パス券のおかげで何本も観ることが出来た。
 他の特典としては、ジュースの自販機下の掃除である。掃除が何で特典なんだと思うだろう。ところがどっこい、自販機の下のゴミを箒で掻き出すと100円玉や時には500円玉などの硬貨が割と出てくるのだ。どうやら、意外と人間はお金を落とすものということ、そして落としてもそのままにしてしまうのだと学んだ。
 どうでもいいけど、名古屋東映のジュースは当時はまだマイナーだった伊藤園の自販機で、しかも1本200円とかふざけた高値だった。映画館の飲食物が高いのは未だに変わっていない。あれは印象が悪いと思うので、もう少し妥当な金額にすべきだと思うが、まぁ今後も高いままだろう。

 身体を使うバイトではないので肉体的にはオールナイトを除くと楽だし、バイト料もそれなり。なにより、パス券の存在が大きく、割と気に入ったバイトだった。
 もしもあのニュースが飛び込まねば、卒業まで続けていたかも知れない。で、あのニュースとは・・・

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このページは、東森時音が2006年9月29日 14:34に書いたブログ記事です。

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