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映画バカ青春記 第23章 2年生への進級を前に

 半田高校は2年生への進級時に文系クラス・理系クラスのどちらかを選択する。
 これで迷った。積極的理由ではなく消極的理由からだ。オレが一番苦手なのは英語、二番目は数学なのだ。そして一番得意なのが現国、二番目に得意なのが生物・地学。どうしろってんだ。

 高校に入ってからほとんど勉強はしなかった。進学校ではあったが、生徒の自主性に任せて、あまり学校側から勉強しろ勉強しろと言ってはこない校風だった。宿題・課題もあまり出なかった。
 あるいは、出てもやらなかっただけかもしれないが、それに苦しめられたという記憶はない。それでも、大半の学生は自分からきっちりと予習復習をし、授業を真面目に受けているので問題はなかった。
 いや、問題はあった。勉強が嫌いなオレだ。古典・漢文を担当していたのがO先生というおばあちゃん先生で、この人の授業が退屈なのでついつい居眠りをすることが多かった。それでよく怒られたものだが、「あんたみたいに堂々と居眠りをする生徒は初めてだよ」と言われたものだ。
 厳しい先生として有名だったのでみんな緊張して授業を受けていたこともあるだろうが、そもそも居眠りをするような生徒はまれだったのだ。
 授業では居眠り、家で予習・復習はしない。入学時に250番程度だったオレの成績は順調に落下を続け、1年生終盤には200番台末になっていた。
 自由な校風というのは、真面目にやるのも自由だが、真面目にやらないのも自由。そして、その結果はすべて自己責任である。後になって、なんでもっと勉強しろと言ってくれなかったんだと怒ってみたところで、その怒りの先は自分にしか向けられない。
 自由には恐ろしい面もある。成績を上げるのも自由。落とすのも自由。そしてそのすべては自己責任と言うことも含めてやはり自由は素晴らしい。

 『あずまんが大王』というコミックで、「ウチは自由な校風だから、東大に行くヤツがいる一方で、どこにも行けないヤツがいる」といったような台詞があるが、まさにそんな感じ。『あずまんが大王』は他にもオレの高校時代を思わせるような描写があって、妙に懐かしかった。オレが「どこにも行けないヤツ」だったのは、言うまでもないだろう。

 今の半田高校は課題の量が多かったり、生徒の私生活にあれこれ口を挟むなど、かなり厳しくなっているそうだ。これも時代の流れなのだろうが、もはや半田高校はオレが在籍していた頃の半田高校ではないのだ。残念ではある。

 さて、文系、理系のどちらにするか。ちょっとだけ悩んで、なんとなく理系クラスを選んだ。将来は映画監督になる予定だったので、文系出身の監督よりも理系出身の監督の方が珍しくて格好良いな。そんないい加減な理由だ。
 その選択で、2年生になって成績はさらに悲惨なことになるのだが、それはまた後の話。

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