写真の一枚に旅行日程が記載されていた。1983年の3月22日から4月3日となっていた。
ハワード・ホークス監督、ジョン・ウェイン主演の『ハタリ!』に登場するようなサファリを満喫。もっとも動物のハンティングはやってないが。
最終日にマサイ族の集落を見物し、その後ケニアを出発して南アフリカ共和国経由でジンバブエに入国。ここでの目的はビクトリア滝の観光だ。
ビクトリア滝はひたすらでかい。途中に岩があって4本ぐらいに分かれているが、幅は全体で約1700メートル。そして落差は約110メートル。
繰り返しになるがひたすらでかい。アメリカのナイアガラ滝、ブラジルのイグアス滝とならんで世界三大瀑布の一つだとか。
幅の1700メートルは普通に歩いて20分ちょとの長さ。そして高さの110メートルは霞ヶ関ビルが147メートルだそうだからそれよりは低いが、30階建てのビルぐらいはある。
ちなみにナイアガラの滝は幅が1200メートル、高さ50メートル、イグアス滝は幅2700メートルで高さは70メートル。
これまでに見た滝というと白糸の滝ぐらいになるがスケールがまるで違う。ただ、迫力はビクトリア滝の圧勝だが、美しさなら白糸の滝だよなと思うのはなんだかんだ言ってオレが日本人だからだろうか。
そして、写真では決して伝わらないのがその音。これはテレビ放送でも伝わらない。
ドドドドッというかゴゴゴゴゴッというか、隣の人と話すにも怒鳴らなければならない轟音で、重低音がビリビリと伝わってくる。
滝の上部横側から見物したのだが、写真でも分かるとおりこれといって柵とかがない。うっかり前に行きすぎて足を滑らせたら110メートルしたまで真っ逆さま。これは死ねる。オレの場合はロイス・レーンと違ってスーパーマンは助けに来てくれないだろう。しかもあっちはナイアガラの滝だし。アメリカからアフリカじゃ遠いよな。
日本生まれで日本育ちのオレには、その光景を目の当たりにしても「これ、特撮じゃねーの?」といった現実感の無さだ。
まったくアフリカは広く、なんでも大きい。サバンナは広いし、ビクトリア滝はでかい、キリマンジャロも高かったし、アフリカ象は大きい。晩飯のステーキもジャイアント馬場の足のようなサイズだった。日本の常識が通用しない土地だ。いや、ステーキは関係ないか。
ちなみに右の写真は第11章で書いた、いきなり道ばたにいたライオン。
再び南アフリカに戻ると、今度はアフリカ大陸最南端だと思い込んでいたら実は違った喜望峰へ。
ここはあまり面白くなかった。最南端と言われなければ単に目の前に海が広がっているだけだ。
アフリカの海というので鮮やかな青を期待していたが、どんよりと重苦しい色だった。まるで津軽海峡のような雰囲気、といっても津軽海峡に行ったことはないのでイメージだけだが。
ケープタウンまでは寝台特急列車ブルートレインで行った。豪華なことでオリエント急行と並び称されてるそうだ。だが、ほとんど覚えていない。『007 ロシアから愛をこめて』に登場したオリエント急行の個室と似ていたような気もするが、映画の印象で記憶が上書きされている可能性もある。すまん、鉄道に興味はないのだ。
ダイヤモンドの研磨工場などを見学したが、ケニアやジンバブエと比べると南アフリカにはこれといって見るところは少ない。都会の部分しか回らなかったからだろう。
4月3日に成田空港に飛行機が到着。日本へと帰ってきた。
税関はトランクを空けることもなくほとんどノーチェックで通過。せっかく緊張していたのに、拍子抜けだ。
まぁ、団体ツアーのしかも中学生を細かく調べる必要も感じなかったのだろう。
だが、そういった一見怪しくない人物こそ密輸組織にとってはうってつけなのではないだろうか。
もしもオレが、ワシントン条約に違反して生きたライオンをトランクに入れてたらどうする気だ。・・・って入らん入らん。
駆け足でアフリカ紀行を紹介したが、正直言ってあまり詳しく覚えていない。やはりオレの記憶装置には若干難があるようだ。
あまり経験できない貴重な旅をさせてもらったんだなと思うが、もったいない話だ。
もう一度行ってみたいかと言われると、「うーん、その金でDVDソフトや本を買うかな」というのが個人的結論。我ながら出不精だ。