
『底抜け大学教授』(1962) THE NUTTY PROFESSOR 97分
監督:ジェリー・ルイス 製作:アーネスト・D・グラックスマン 脚本:ジェリー・ルイス、ビル・リッチモンド 撮影:W・ウォーレス・ケリー 音楽:ウォルター・シャーフ
出演:ジェリー・ルイス、ステラ・スティーヴンス、デル・ムーア、キャスリーン・フリーマン、メッド・フローリイ、スキップ・ウォード、ノーマン・アルデン、ハワード・モリス
-いつだって能天気 その8-
ジェリー・ルイス主演の底抜けシリーズDVDがようやくと廉価化。ディーン・マーティンとのコンビを解消して1人主演になって以降の作品ばかりだが、それでも嬉しい。
今回の7作品で一本取り上げるとしたら、やはり『底抜け大学教授』だろう。
眼鏡で猫背で出っ歯。ちんちくりんな面相の大学化学教授が心機一転してスポーツジムで身体を鍛えようとするが、バーベルで腕が床まで伸びてしまうわと散々な目に。
ここは一つお得意の化学でなんとかならないかと不眠不休で怪しげな薬品を作り上げる。一息にその薬を飲み干すジェリー・ルイス。途端に床に倒れ身体は奇妙にねじ曲がり獣のような剛毛まで生えてくる。これからいったいどうなってしまうのか?
そしてカメラはジェリー・ルイスの視点になって夜の繁華街に出る。彼を見ては驚く街の人々。ジェリー・ルイスは怪物になってしまったのだろうか。ところが・・・
この作品はジェリー・ルイス版『ジキル博士とハイド氏』なのは間違いがない。
醜くて小心者の自分と、格好良く自信満々な自分。その二面性の間で芽生えた愛を手にするのは果たして誰なのだろうか。
そして、間抜け面をせず真面目な顔をしたジェリー・ルイスが割と格好いいのも間違いがない。現役の俳優で言うとジム・キャリーが近いだろうか?『キング・オブ・コメディ』で大物コメディアンとしてシリアス演技を見せてくれたがなかなか迫力があった。
エディ・マーフィーの『クランプ教授』シリーズとしてリメイクされているが、こちらでは極度の肥満症を痩身にして、さらに過剰な自信を与えてくれるという設定だった。ジェリー・ルイスは腎臓だかの病気で薬の副作用のためかつての面影がない肥満体になってしまった。『クランプ教授』の製作にはジェリー・ルイスもかんでいるから、自らの体験をネタにしたのかも知れない。
ジェリー・ルイスは主演だけではなく、監督と脚本も担当している。多芸な人だ。