
『網走番外地』 (1965) 92分 日本
監督:石井輝男 企画:大賀義文 原作:伊藤一 脚色:石井輝男 撮影:山沢義一 美術:藤田博 音楽:八木正生
出演:高倉健、丹波哲郎、嵐寛寿郎、南原宏治、田中邦衛、潮健児
-オレはいつでも燃えている その35-
世間では豪雪地帯と呼ばれる地域に引っ越して最初の冬。ここ数日の雪には「なんじゃこりゃぁぁぁ」と叫んでいる。つか、初めての雪国体験がいきなり近年稀な大寒波で、地元の人も「今年はすごいね~」って言ってるほど。今年はまずは雪に慣れることから、と暖冬になるように神様にお願いしたのに。地球温暖化のために京都議定書はこのまま無視して、どっさりと二酸化炭素を排出してくれってブッシュにも頼んどいたのに。
庭に出て物差しを突き刺したら55cmも積もっていた。ここはスキー場か?オレの人生経験では、日常生活の場でこれだけ雪が降ったことはない。
いろいろ訳ありで、アパートなどの集合住宅ではなく一軒家に住んでいる。となると、道路の雪かきをやらずに知らん顔というわけにもいかない。表通りに面している前面がおよそ12m。朝起きると簡単に食事を済ませ、雪かき用スコップと手押し車の車輪をなくした“ママさんダンプ”などで装備して外へ出る。まず踏み出した一歩目でボッっと長靴が雪に埋まる。
まぁ、これも名古屋育ちだとあまり味わえない貴重な体験だよな。幅広い経験は人を豊かにするというからなと雪かき開始・・・ああっつまんねー、もう飽きた。その時間わずか5分。最初の2~3日ぐらいは興味が続けよ、オレ。でも、人生経験が乏しくて薄っぺらな人格で良いから雪はいやだぁぁ。
歩道の下を水路が流れていて、ところどころにある鉄の蓋を開ける。水が勢いよく流れているのでそこに片っ端から雪を放り込んでいくのだが、単調で生産性の欠片もなくつまらない。道路での作業で、すぐ脇を自動車が走っていくので、iPodなどを使って音楽を聴くことは危険なので出来ない。(まぁ持ってないけど)ひたすらざっくらざっくら。かいている間にも雪は降ってくるのでもう雪が身体まみれ。もとい、身体が雪まみれ。
名古屋育ちで雪は年に1、2度ちらっと降るだけだった生活のオレには、この雪国での暮らしはすでに苦痛を覚える。これからの約3ヶ月間を乗り切ることが出来るのだろうか。あー、晴れないから洗濯物がたまるたまる。
雪道での車の運転は怖いし、こちらの車は夏や秋でも運転が荒かったが、雪が降ったからといってそれが改まるわけでもなく、相変わらず荒っぽい。曲がるときはウインカー出せよ。一時停止の標識は「徐行しろ」って意味じゃないの、止まれって言ってるの!
とまぁ、雪と戦い初めて数日。ここは一つ、「雪の中、熱く闘う映画で燃えようじゃないか」と取り上げるのが『網走番外地』だ。
網走番外地とは網走にあるが地図に番地が載っていないある収容施設のこと。そう、網走刑務所だ。でも、実際には網走刑務所にもちゃんと番地ある。住所は北海道網走市字三眺だそうだ。
『網走番外地』はヤクザ者が出てくる暴力映画と思われている向きもあるが、それはシリーズ途中の高倉健が全国各地を訪ね歩くようになってから。一作目は、まるで受刑者の更正を目的にして作られたかのような、「一度は道を踏み外しても、真面目にやればちゃんと社会復帰できるんだ」といった教育的内容。
刑務所の外から精神的に支える妹と母と、言葉は厳しいが人情味溢れる看守、そして囚人仲間が高倉健のひねくれた心を次第に洗い流していく。
と、ここまでは刑務所映画なのだが、母が危篤に陥ったことを知った高倉健は他の囚人の脱走計画に乗って刑務所外での作業中に手錠で相手とつながれたまま脱走してしまう。時期は冬。網走の冬ときたらそれはもう、詳しくは知らないがめちゃめちゃ寒い、ただの寒いじゃなくて極寒のはず。そんな中を防寒面ではあまり期待できない囚人服でいかに逃げ延びるか。そして保護司の妻木(丹波哲郎)の執拗な襲撃をいかに振り切るかという、雪原での追跡劇が見事。迫力もあってハリソン・フォードの『逃亡者』なんて目じゃない。猟銃を持ってしぶとく追跡を続ける丹波哲郎が格好いい!単なる霊界オヤジじゃないぞ。
東映幹部が「これは当たらないだろう」と予算がカットされモノクロ映画になってしまったが、映画の雰囲気にはその白黒の画面が似合っている。これが大ヒットして都合18作も作られる人気シリーズになるとはまさか思ってもみなかっただろう。
続編はどれも同じようなストーリーなんで全部を見る必要はないが、一作目は必見。
コメント (2)
なんか全国的に大寒波ですね。東森さんが
おっしゃってた名古屋市も雪が積もって大変だ
そうですね。新潟あたりは停電で大変だとか・・「大停電の夜に」とかきれい事いってみますが、実際は恋愛どころではないというのがホンネなんですけどね。
Posted by: ネスカフェ | 2005年12月22日 23:23
日時: : 2005年12月22日 23:23
今日もせっかくの祝日だというのに朝から雪かき。
8時前に始めて終わったのがついさっき。
ほぼ1時間ですか・・・
せっかく終わってもこの天気の様子だとまた翌朝には雪かきが待っています。
非生産的なことをやって、それがしばらくするとまた元に戻ってやり直さなければならない。なにやらシジフォスの神話の世界に迷い込んだかのよう。
雪の積もった量にもよりますが、1分1秒が貴重な朝に、毎日30分なり1時間なりが失われるのは厳しいですわ。その分寝てたいっての。
新潟はまだ地震の被害も癒えてはいないところに、この大雪と停電ではさぞ大変なことでしょう。
新潟で被災者への慰問として『大停電の夜に』を上映したら「ふざけんなー」とスクリーンに物が飛ぶんじゃないでしょうか。
東京は雪が降っていなかったとしても寒いことは間違いなし。エアコン止まりますよ?灯油を使った暖房機器もファンヒーターなどは電気がなければ動きませんよ。今時、昔ながらの石油ストーブがある家が東京にどれだけありますが。
その寒さに震える中、愛だ恋だロマンスだなんて呑気にもほどがあります。エレベーターに閉じこめられた人だっているでしょうに。
まあ、出来の悪いファンタジーだと思って無視しとけばいいのでしょうが、このところ身体と精神がダーク東森に支配され気味でして。
何事もネガティブにしか受け取れない、ネガティブな思考しかできないので困っとります。
何を書いても貶した文章になってるのでこのところ更新もストップ。いっそ、春まで冬眠という手も・・・
Posted by: 東森時音 | 2005年12月23日 09:08
日時: : 2005年12月23日 09:08