
『機動警察パトレイバー THE MOVIE』 (1989) 98分 日本
監督:押井守 プロデューサー:鵜之沢伸、真木太郎、久保真 脚本:伊藤和典 美術監督:小倉宏昌 音楽:川井憲次
出演:古川登志夫、冨永みーな、大林隆介、榊原良子、井上瑶、池水通洋、二又一成、郷里大輔、千葉繁、阪脩
-オレはいつでも燃えている その25-
中学時代に『うる星やつら』のファンだった。週刊サンデーは毎週買って、アニメも観ていた。当然、劇場版も観に行った。そして、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984)で『うる星やつら』という要素ではなき「映画」として衝撃を受け、押井守という名前が頭に刻まれた。だが、実写一作目の『紅い眼鏡』(1987)で駄目だこりゃと忘れた。忘れるの早いな、おい。
だから『機動警察パトレイバー THE MOVIE』は劇場で観てはいない。オレはすでに大学生で、しかも大学のシネマ研究会に所属していた。今の映画研究会ではどうなっているか知らないが、1980年代末はまだ「アニメなんか映画じゃない」という風潮があった。そのせいか、名古屋でも単館上映はされたようだが、他の部員から「観てきた」という話は聞かなかった。
他の作品を目当てでレンタルビデオ屋に行ったが貸し出し中で、それじゃあまぁと消極的理由で借りてきた。でもって、これでもかぁってぐらいに燃えた。
他のサイトなどで散々語られているだろうから細かいことは言わない。
とにかく、細かく張り巡らされた伏線が一気に弾ける後半が良い。シゲさんの下宿先でHOSの暴走について調べているシーンで、低周波の共鳴、箱船、台風がガガガっと繋がるところは背筋がぞくぞくしてくる。
箱船に乗り込んでからはうだうだとややこしいことを言わずに、アクションで物語を構成しているところも実に良い。なにしろ押井守という人はうだうだ言いたがりだし、それがまたつまらないのだ。個性ではあるんだろうが。
下宿同士が近かった先輩が遊びに来たときに、「これ、めっちゃ面白いっすよ」と観せた。先輩はサム・ペキンパーなどが好みでアニメと聞いてあからさまに嫌な顔をされたが、そこを無理矢理観てもらった。
感想は「うん、面白いね」だった。つまらない物を観させられたら正直につまらないと言う人なので、事実面白がってくれたのだろう。こういう時は妙に嬉しい。
『機動警察パトレイバー2 THE MOVIE』(1993)の時はすでに社会人。渋谷の映画館まで観に行った。
すごく期待して劇場に入っていったのだが、出てくるときはがっくりと肩を落としていた。
「ナンデスカ、コレハ?」
全編を通してうだうだうだうだ。意味不明と難解とは違う物だろうに。1作目では色々な制約があり、押井守が勝手気ままに王様として振る舞えなかったのだろう。その制約が娯楽性と作家性という時に相反する要素を融合させていたに違いない。おそらく押井守という人は好き勝手にやらせちゃ駄目な人なのだ。多分この人はテリー・ギリアムとタイプが似ているんじゃないかなとも思う。
まぁなんだ、アニメは実写よりも位置が下だ、アニメだからけなすという姿勢は嫌いだが、アニメだから誉めるという姿勢も嫌い。
HOSの暴走は悪意の存在の有無は別にしてどことなく2000年問題を思わせる。そう考えるとかなり先進的なストーリーだった。
ところでHOSの正体はWindowsMeないしMacOS8だったって噂は本当か?そりゃ暴走もするわ。でもほとんど一人で開発した点や操作画面などを見るとむしろLinux?しかし、ビル・ゲイツなりスティーヴ・ジョブズなりが悪意に走って、OSそのものにウイルスなりスパイウェアを仕込んだなどと想像してみると、これは実に怖ろしい。事実、SONYは音楽CD(もどき)にスパイウェアを仕込んでるしな。もはやOSベンダーやソフトベンダーを安易に信用できない時代。うむ、怖ろしい。