『超高層プロフェッショナル』 (1979) STEEL 102分 アメリカ
監督:スティーヴ・カーヴァー 製作:ピーター・S・デイヴィス、ウィリアム・N・パンザー 製作総指揮:リー・メジャース 脚本:ライ・チャップマン 撮影:ロジャー・シェアーマン 音楽:ミシェル・コロンビエ
出演:リー・メジャース、ジェニファー・オニール、アート・カーニー、リチャード・リンチ、ジョージ・ケネディ
-オレはいつでも燃えている その24-
アクション映画と言われると、まずは銃撃戦や殴り合い、そしてカーチェイスなどが思い浮かぶ。だがそれらの要素がアクション映画に向いているだけであって、「=アクション映画」ではない。そのことを証明しているのがこの『超高層プロフェッショナル』だ。
一言で説明すれば、期日までにある高さまでビルを組み上げる映画だ。敵役の建築会社に忍び込んで倉庫から資材を盗み出したりはするが、ほとんどは汗くさい男たちが全力で鉄骨を運び、クレーンを操作し、ボルトとナットを留めていくシーンで構成されている。そして、それがきっちりアクション映画しているのだ。くわー、燃えるぞ。
街の象徴になるほどの高層ビルを建築中である。その現場を視察に来ていた建築会社の社長は、たまたま発生したガス爆発の事故から作業員を救助している際にビルから落下して死ぬ。叩き上げの社長役はジョージ・ケネディだが序盤で退場とは少々残念。
社長の弟は堅実実直だった兄に似ず、腹黒い悪徳業者。兄の死に乗じてビル建築を自分の会社で乗っ取ろうとするロクデナシで、こんな業者が耐震強度を偽装したりして、手抜きなビルを造るのだろう。うむ、時事ネタ。
社長の一人娘キャスは、父の意志を継いでビル建設を続けようとするが、3週間で9階分を組み上げねば、建築作業の権利が敵の会社に移ってしまう。そこで高層ビル建築のプロであるマイク・キャットン(リー・メジャース)に助けを乞う。ある事故をきっかけに建築業から身を引いていたマイクだが、キャスの熱意に動かされ現場に復帰する。昔の仲間である高層ビル建築のプロ、“超高層プロフェッショナル”たちを集めたマイクはビル建築に取りかかる。敵からの妨害を受けながらも作業は進むが、このままではあと一息で期日に間に合わない。そこで、マイクは一発逆転の秘策を思いつく。
監督は『ビッグ・バッド・ママ』(1974)や『テキサスSWAT』(1983)、そして『サンダー・ブラスト/地上最強の戦車』(1987)など熱い映画を手がけたスティーヴ・カーヴァー。『デス・リバー/失なわれた帝国』(1989)は「なんじゃこりゃ」と叫びたくなる駄作だったが。
言ったように、この作品には銃撃戦やカーチェイスは登場しない。殴り合いは多少出てくるが、そこが主題ではない。プロフェッショナルたちがひたすらにビルを組み上げていく。そんな題材だってアクション映画になるのだ。アクション映画とは、そこにスタントなどの物理的なアクションの描写が登場することではないことがよく分かる。
日本ではNHKの『プロジェクトX』から「VHSを作り出した人々」のエピソードが『陽はまた昇る』(2002)として映画化されたが、お涙頂戴物のクソ映画だった。このエピソードだってその気になれば燃えるアクション映画になるぞ。
主演のリー・メジャースは1970年代のTVシリーズ『600万ドルの男』でスターになった人物。この作品では自ら資金の一部を提供して、製作者としても活躍している。
おそらく、リー・メジャースなくしてはこの映画は企画段階で終わっていたはず。さすがは元祖サイボーグ。