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『アニメがなんだ-山本正之』 痛烈な批判と強烈な愛

『アニメがなんだ-山本正之』 1995/03/22 パイオニアLDC株式会社

-オレはいつでも燃えている その12-
 1974年、中日ドラゴンズの応援歌コンテストが開催され、選手名を歌詞に盛り込んだ『燃えよドラゴンズ!』という歌がグランプリに選ばれた。作者は愛知県出身で駒澤大学在学中のアマチュア青年だった。
 青年はプロデビューして、間寛平の『ひらけ!チューリップ』や笑福亭鶴光の『うぐいすだにミュージックホール』、つボイノリオの『名古屋はええよ!やっとかめ』などコメディアンを中心に楽曲を提供し、『タイムボカン』シリーズの主題歌を始めとしたコミカルな曲や『J9』シリーズのロック調の曲など多数のアニメソングを手がける。
 青年の名は山本正之といった。

 山本正之の経歴においてアニメソングというのは大きなウェイトを占めている。
 そのアニメソングやアニメ界に対する批判と愛を強烈に歌い上げたのがこの『アニメがなんだ』という曲だ。
 山本正之が手がけた『タイムボカン』や『UFO戦士ダイアポロン』、『黄金戦士ゴールドライタン』などのサビが歌われ、その間に「テレビ局がなんだ。打ち切りしておいたクセにワイドショーなんかで僕の曲を勝手に使ってる」とか「アニメなんか紙芝居だ。絵は止まってて口だけ動いてる」、「おもちゃを売るための30分のコマーシャルだ」、「アニメファンがなんだ、なにやら独り言を言ってるぞ」などなどと、作り手やスポンサーそしてファンに対する苦言が語られる。
 ここで歌われるアニメソングの数々が全部分かってしまうというのはオレが年だということだが、本当にいろんな作品の笑える・燃える主題歌を手がけている。最近のアニメソングは一般的なポップス系にシフトしているようなので、山本正之がアニメソングで活躍する場は狭くなっているのだろうが、1970~80年代のアニメソングにおける山本正之の存在は実に大きかったのだろう。
「声優人気がなんだ。SLAPSTICK格好いいけどな」と声優人気にもチクリと一言。SLAPSTICKといえば野島昭生、古谷徹、神谷明、曽我部和行、古川登志夫がオリジナルメンバーとして結成された元祖声優ユニット。『パタリロ!』の『クックロビン音頭』なんかが有名だ。今となっては「いたなぁSLAPSTICK」という感じだがメンバーは古株実力派揃い。
 この曲が発表された1995年当時も声優が歌を歌うことはあったが、今のように声優は歌って当たり前、アルバムを出して一人前という状況にまでなるとは予想できなかっただろう。
 なんといっても水樹奈々がオリコン2位で『HEY!HEY!HEY!』出演する時代だ。でも出演しただけで歌は歌わないし、ダウンタウンは観客席のオタクの群れを客イジリしてるだけで、てんで面白くなかったがな。

 コミカルさというオブラートで包んでいるが、8分を超える長さのこの曲にはかなり強烈な毒が含まれている。
 山本正之というミュージシャンはフォーク+ロック+その他の燃えるミュージシャンだ。『ハイロウズ』の甲本ヒロトと組んだ異色の顔合わせによる『過ぎし日のロックンロール』は名曲である。

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