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『ヴァン・ダム IN コヨーテ』 真っ赤なクラッシックバイク

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『ヴァン・ダム IN コヨーテ』 (1999) INFERNO 96分 アメリカ

監督:ジョン・G・アヴィルドセン 製作:イヴツェン・コラー、ジャン=クロード・ヴァン・ダム 脚本:トム・オルーク 撮影:ロス・A・ミール 音楽:ビル・コンティ
出演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム、パット・モリタ、ダニー・トレホ、ガブリエル・フィッツパトリック、ラリー・ドレイク

-オレはいつでも燃えている その26-
 ノリオ・パット・モリタが11月24日に亡くなった。73歳だったそうだ。追悼の意味をこめてパット・モリタが出演しているこの『ヴァン・ダム IN コヨーテ』について書くことにする。
 砂漠の中にある小さな街。そこは悪党に支配されていた。軍隊時代の友人に会うため、たまたまその街にやってきたエディ(ヴァン・ダム)は友人と一緒に悪党退治に乗り出す。
 と、粗筋を書くといつものヴァン・ダム映画に思える。だが街の住民は悪におびえる善良な一般市民ではなく、風変わりでどこか常識外れの連中ばかり。それにエディは正義の味方ではなく、こいつこそが一番の悪党かも知れない。途中で事件は広がるが、そもそものきっかけは友人(ダニー・トレホ)に贈るはずだったバイクを悪玉の息子たちに奪われたから。それで悪党どもを皆殺しとは、やりすぎじゃないか?

 格闘や銃撃戦などのアクションはヴァン・ダム映画としては控えめ。それよりもエディと風変わりな街の人々との関わりが中心だ。中でもパット・モリタ演ずる便利屋と銃砲店のジイさん、そして酒場のパキスタン人店主のジジイ三人組が楽しい。どたばた騒いでるだけかと思ったら意外な活躍をしてくれる。エディが倒した相手の死体は便利屋がビニールシートで包むと小型トラックで谷へと捨てに行く。最初は2体だが、最後の戦いが終わった後にはどさどさっと豪快に落としている。灼熱の砂漠、1ヶ月後にはまさにINFERNO(地獄)な光景になってそうだ。

 街の近辺でよくUFOが目撃されそれが乏しい観光資源であることや、空軍基地からのジェット戦闘機が時折轟音をまき散らしながら低空飛行で通過していくことなどが上手く活かされている。特にUFOの件はそれを上手く利用して街を活気を取り戻し、悪人たちの死も無駄じゃなかったか。

 休戦状態でにらみ合う犯罪組織同士を上手く対立させて相打ちにさせようというのは黒澤明の『用心棒』およびセルジオ・レオーネの『荒野の用心棒』だ。これは憶測ではない。映画のラストでバスの運転手が食堂のウェイトレスを「サムライの映画を観に行かないか。日本人のやる西部劇で『用心棒』という映画なんだ」とデートに誘うシーンがあり、きちんとオリジナルへの敬意が示されている。

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