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『ToHeart』 オレだってたまには泣く、その32

『ToHeart』 リーフ(Leaf) Windows用成人向けPCゲーム CD-ROM

 『雫』『痕』に続くリーフのVisual Novel Series 第3弾。
 1997年頃の18禁PCゲーム界は陵辱系のゲームなどが中心で、屈折し殺伐とした雰囲気が多くを占めていたそうだ。
 そんな中で発売された『ToHeart』は、割と普通の高校生っぽくみえる大学生ないし専門学生(だって18歳以上だからな)を主人公に、楽しく明るめな日常を中心としたストーリーが展開される。これがエポックメイキング的作品になったようで、18禁PCゲーム界のその後には大きな影響を与えたようだ。多彩なヒロインたちはギャルゲーへと発展していったのだろうし、ストーリー以上にマルチなどのキャラクターに萌える行為が萌えゲーを生み出していったのかもしれない。
 もちろん、すべてが『ToHeart』起源なわけではないだろうが、大きな影響を与えたのは確かなようだ。これ以上に詳しいことは他所のサイトでもっと詳細な情報が見つかると思う。

オレが持っている『ToHeart』はJANコードが4996802970404なので1997/05/23に発売された初回版。あかりたちヒロインが集合したマウスパッドと修正ファイルが入ったFDが付属している。
 その後、WindowsXPにも対応したリニューアル版や、PS版をPCに移植した非18禁の『ToHeart PSE』というのまで出ていて、案外ラインナップがややこしい。
 大きく分けるとPCの18禁版とPlayStationの音声付き非18禁版に二分できる。

 ゲーム自体の内容は、朝に起きて学校へ登校し、学校の中をうろついてヒロインと会って会話し、学校帰りには寄り道をしてまたヒロインと会って交流を深める。こうして好感度を上げ、フラグを立てていくことでクリアを目指すゲーム自体は基本的内容だ。
 特色としては、一般のアドベンチャーゲームならウインドウ内に2~3行で表示される文章が画面全体を原稿用紙のように使って表示されること。この手のゲームでは売りであるはずのグラフィックを覆い被すように文字が表示され、これはあくまでもテキスト主体のゲームだと訴えかけてくる。
 今でも読み応えがあるが、1997年当時にはここまでしっかり読ませる文章は少なかった。リーフが『雫』、そしてこれが頂点だと思うのだが『痕』でやってきたことが広くゲームファンに受け入れられたのがこの作品になる。
 ただ、システムには疑問が残る点もある。校内や街を移動するシーンでは、移動する先に誰が待っているのかが分からず、まったく偶然に頼るしかなく攻略が無駄に難しかった。PS版では移動先にデフォルメキャラが表示されて誰に会うことが出来るのか分かるようになったのでプレイがすごく楽になった。PC版もあらかじめセーブしてメモをつけていけば良いのだが・・・。その昔、WizardryのMAPをせこせこと方眼紙に書き込んでいった我々も思えばものぐさになってしまったものだ。

 泣いたのはマルチのシナリオ。ああっ、ベタだ。懐中汁粉に入ったおモチ並にベタベタだ。でもね、エンディングで失意にくれる主人公の元に一台のメイドロボが送られてくる。マルチそっくりなそれは・・・ああっ、泣ける。というか泣いてるぞオレ。まだ泣くことが出来たんだ。
 PC版、PS版、アニメ版、コミック版で設定がちょっとごっちゃになっている部分があるが、マルチたちメイドロボを開発している開発室の室長が良かった。ちょっとしか出てこないが、無精ヒゲに眼鏡のさえない中年。『機動警察パトレイバー』の後藤隊長をどことなく思わせる食えないキャラだ。こういった脇役の使い方も上手い。

 泣いたのはマルチだが、一番好きなのは委員長こと「保科智子」だっ。次が来栖川芹香お嬢様。
 一番どうでもいいのが志保かなぁ。志保のキャラクター自体は嫌いじゃないけど、あのエンディングはないだろ。

 今度PC版で『ToHeart 2 XRATED』というのが出る。元はPS2で発売された全年齢版だったが、PC版は18禁ソフトになっている。
2といっても主人公などは『ToHeart』と異なっていて舞台設定が同じなだけ。PS2版は結構面白かったが、18禁化されることが吉と出るか凶と出るか。

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