« 『ToHeart』 オレだってたまには泣く、その32 | メイン | オレだってたまには泣く 総括 »

『ONE ~輝く季節へ~』 オレだってたまには泣く、その33

『ONE ~輝く季節へ~』 Tactics Windows用成人向けPCゲーム CD-ROM

 言い忘れていたが昨日の『ToHeart』から「オレだってたまには泣く ゲーム編』に入っている。
 モノポリーやオセロなどのボードゲームで泣く人はあまりいないだろう。絶対にいないとは言い切れないが、まああまりいない。「桂馬~、なぜやられたんだ桂馬~」とか泣き叫んでる人がいるなら会ってみたい。会ってはみたいが友だちとかにはなりたくないタイプではある。泣くには物語性があった方がいいので、その点コンピューターゲーム向きだ。
 コンピューターゲームといってもシューティングやアクションではあまり泣かないだろう。オレが一番やりこんだシューティングは『R-TYPE』だ。ゲームセンターで少なからぬ出費を強いられながらようやくクリアしたときは嬉しかったが、さすがに泣けはしなかった。世の中は広いので『テトリス』で「4段消し~」と泣く人もいるかもしれないが、そういった少数派を除くと泣けるゲームはやはり物語性の強いアドベンチャーゲームかロールプレイングゲームだろう。
『テトリス』は無理でも『ぷよぷよ』ですさまじいまでの連鎖が成功したらひょっとして泣くかな?泣かないか。

 RPGで泣いたことはない。初代Wizardlyをこつこつとマッピングしながら地下10階まで解き進めて、ワードナーを倒してアミュレットを手に入れた時はかなり興奮したがかといって泣いてはいない。どちらかというとテレポートした先の指定を間違えて壁の中に転移してしまい、育て上げたパーティーをロストしてしまった時の方が泣きに近かった。容赦ないゲームだったよなぁ。
 ドラゴン・クエストシリーズは面白いが泣くまではいかない。ファイナル・ファンタジーシリーズは4だったかで、「お前ら感動しろ」とばかりにどんどん人を殺していく終盤のストーリーと演出が大っ嫌いでエンディング寸前で投げ出した。もうねなんか腹立ちました。7か8以降はやってない。要するに趣味に合わんのだ。
 『天外魔境2 卍丸』PCエンジン版はかなり盛り上げてくれたが、こちらも人死にに走ってしまってゲンナリしたままエンディング。しかもみんな復活してるし。
 ではアドベンチャーはどうかというと、こちらでは本当に泣いたタイトルが2本ある。昨日の『ToHeart』と『ONE ~輝く季節へ~』だ。ああっ、今日もベタなタイトルだ。しかも両方とも甘っ。
「お餅も入ってベタベタと。甘くてどうもすいません」

 コンシューマーのアドベンチャーが謎解き中心だった中、ドラマを重視したアドベンチャーは18禁ゲームというジャンルが先行した。・・・のだかは知らない。ゲーム関係のサイトでもっと詳しいデータや分析があるだろう。
 ただ、個人的には制約が多い場所の方が、時として自由な作品を生み出す土壌となるのではないだろうか。一時期のにっかつロマンポルノは新進気鋭な新人監督たちが、全体の内に何分以上の濡れ場を入れること以外はそれほど制約がないのを利用して、実に好き勝手放題な作品を作っていた。
 予算はふざけんとんのかっ、ホームビデオでも撮れってのかというぐらいの低予算だったらしいが、黒沢清の『神田川淫乱戦争』、周防正行が全編小津オマージュで撮った『変態家族 兄貴の嫁さん』、あえてロマンポルノに乗り込んで撮った森田芳光の『(本)噂のストリッパー』などが有名だ。先ごろ亡くなった『デビルマン』の那須監督もロマンポルノ出身だったはず。
 黒沢清の『ドレミファ娘の血が騒ぐ』はにっかつロマンポルノとして撮影されたのだが、日活幹部から「こんなワケ分からんもの駄目じゃ」と駄目だしされ、再編集して一般作として公開された。もはや自社の作品に対して興味を持っていなかったにっかつ側からお蔵入りにされるとは、やはり黒沢清とは無茶な人だ。

 18禁ゲームでは予算や納期、性描写に関する規制などはかなりシビアでも、製作しているほとんどが小規模会社ないし個人企業だそうだ。比較的自由度が高くて作り手の意志や表現を盛り込みやすく、ドラマ性と演出がより高められたのかもしれない。
 果たして本当に自由度が実際に高かったのかという点からしてすでに検証していないが、調べ始めるときりがなさそうなのでやらない。1995~2000年における18禁ゲームの展開と推移なんてのはちょっとした文化論になりそうだ。探せばそんなサイトもあるのだろう。

 アメリカの18禁ソフトというかポルノソフトの画面を見たことがあるが、マウスカーソルで女性の乳首をクリックしたら「あはーん。うふーん」と反応するとかそんなレベルだった。最近のことではないので最近の作品では多少マシになっているのかもしれないが、おそらくあまり変わっていない気がする。アメリカでのポルノソフトの市場自体が非常に狭そうだし、作り手も真剣には作っていなさそうだ。きっとアメリカ人ってのはFPSゲームかスポーツゲームばかりやっているに違いない。(偏見?)
 韓国や台湾ではPCゲームと言えばMMORPGらしい。(知識不足?)そもそも他国でのアドベンチャーゲーム市場というのはどれぐらいの大きさなのだろうか。アメリカのアドベンチャーゲームというと『MIST』が思い出される。あれは物語というよりパズルっぽいイメージが強い。ひょっとするとアドベンチャーゲームがここまで発展しているのは日本ぐらいなのかもしれない。ここら辺も調べてみると面白そうだが面倒なのでやらない。
『泣きゲー』という単語があるが、こんな単語が成立するのは日本だからだろう。『ToHeart』や『ONE~輝く季節へ~』の全年齢版を翻訳して発売したとして、果たして海外で受け入れられるのだろうか。外国人は果たして泣くか?
 まあ、市場があるとしても狭い市場だろうな。

 さて今日のお題『ONE ~輝く季節へ~』だが、泣ける。はっきりいって泣ける。
 オレが泣いたのはヒロインの一人である茜ルートでのエンディングだ。
 主人公は幼い頃の約束により、ある日を境に次第にその存在が薄れていってついには本当に消えてしまう。友人知人の記憶からも消え去り、主人公のとこを憶えているのはヒロインただ一人。
 そして主人公の記憶を抱えながら暮らしていたある日、茜は友人の口から聞くはずのない言葉を聞く。
「そういえば“あいつ”とずいぶん会ってないけど元気にしてるの」
 そんなセリフだったと思うが、そのセリフの中にある“あいつ”という単語。
 主人公が帰ってくることを理解した茜の前に登場する一人の少年の姿。
 うむむ。

『ONE ~輝く季節へ~』のどこが良いかといったらラストにある主人公が帰ってくるシーンだろう。各ヒロイン毎のエピソードで少しずつ違うが、消えてしまった主人公が帰ってくるのは同じ。極論を言えば「このシーンのために作品が存在している」。
 過去の約束(だっけか?)とやらで次第に日常から消え去っていく辺りは正直オレにとってはどうでもいい。そりゃ、若い時分には己の存在が希薄に感じられたとかはあった。うん、オレも若かったなぁ。しかし、今となってはその手のストーリーは青くさい昔を思い出して恥ずかしさが先に立つ。あと、「いたる絵」と呼ばれる絵が独特で好き嫌いがかなり分かれるだろう。そもそも受け付けないっていう人がいてもおかしくない強烈な独特さだ。
 この作品を手がけたスタッフは後にTacticsから独立してkeyというブランドを設立して『kanon』や『AIR』、『CLANNAD』といった作品を発表している。これらは『ONE』が持っていた要素を継承しているが、あのラストシーンよりもむしろ青くさい部分をさらに強調した感じで、汚れちまったオレにはプレイするのがちとつらい。いたる絵だしな。
 11月25日には新作『智代アフター』というのが発売になるらしい。たぶん買わないが、絵は変わっているそうだ。

 最近ではパソコンゲームにしろPS2などのコンシューマー機のゲームにしろほとんどやらなくなってしまったが、以前はそれなりに遊んでいた。そんな中で、泣いた作品が2本あってそれが2本とも18禁PCゲームのアドベンチャーというのはやはり何らかの意味があるのだろう。
 ちなみに『ONE ~輝く季節へ~』には初回特典として置き時計が付いていたのだが、これがピクチャーレーベルとなっているゲームのCD-ROMを時計の盤面に使うという代物だった。時計として使う間はゲームが出来ず、ゲームをやっている間は時計が使えない。というか、CD-ROMがホコリまみれになりそうでヤな特典だった。一時、初回特典付きの中古がとんでもない相場になった時にとっとと売っぱらった。
 現在持っているのは中古で買った通常版。「for Windows95」と大書きされている。そうか、WIN98以前のソフトだったか。ちなみにWindowsXPproで試してみたら、インストールおよび起動が確認できた。インストールに必要なハードディスク容量が50MBというのに時代を感じる。CD-ROMのプロパティでは60数メガバイトの容量だから、根性さえあればフロッピーディスク版でも出せるよな。昔はWindows95のフロッピー版があったよな、そういえば。フロッピー20枚組のゲームとかもあった記憶が・・・オレも年だな。

 というわけでオレだってたまには泣くゲーム編』あっというまに終了。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jion-net.com/mt/mt-tb.cgi/4343

コメントを投稿 携帯電話からは投稿出来ません