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『狼/男たちの挽歌・最終章』 オレだってたまには泣く、その22

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『狼/男たちの挽歌・最終章』 (1989) 喋地雙雄/THE KILLER 111分 香港
監督:ジョン・ウー 製作:ツイ・ハーク 脚本:ジョン・ウー 撮影:ウォン・ウィンハン、ピーター・パオ 音楽:ローウェル・ロー
出演:チョウ・ユンファ、ダニー・リー、サリー・イップ、ケネス・タン、チュウ・コン

 一流の殺し屋が殺しの現場に居合わせた女性歌手をかばいながら拳銃を発砲するが、彼女の顔が銃口近くにあったために目を傷つけて視力をほとんど失い失明状態になってしまう。
 彼女を影から見守っていた殺し屋は、チンピラがバッグを引ったくろうとしたところを助けたことで彼女と会話を交わすようになり、二人は次第に近づいていく。
 そんな殺し屋と歌姫の美しく悲しい愛の物語だ。

 港でボートレースが開催され、来賓として出席した要人を殺し屋が狙う。要人といっても裏ではあくどいことをしている影のボスだ。その要人を警護するのが腕利きだが独自先行とやり過ぎで警察上層部からの受けが悪い刑事だ。要人を狙撃して逃走した殺し屋を刑事は追いかけ、一度は追いつめる物の取り逃がしてしまう。刑事は執念で殺し屋を追い続ける。
 そんな殺し屋と刑事の奇妙で熱い絆の物語だ。

 殺し屋と刑事はそれぞれ相手のことを認め合ったプロ同士だ。
刑事「一緒に戦ったが君の名字も知らん」
殺し屋「友達に名前が必要か?」
の会話が泣ける(予告編がたしかこうだった)。
 ただし、現行のGeneon版DVDだと字幕が違っていて今一つ。英語なら繰り返し再生してなんとかヒヤリングもできるが広東語では手も足も出ない。どちらが正解なのだろうか。

 脚本段階では刑事も歌姫のことを好きになって三角関係の物語だったそうだ。しかし、歌姫役のサリー・イップのスケジュールが充分に取れなかったために映画のストーリーになったらしい。サリー・イップの都合が付かなかったのは偶然だが、そのアクシデントを活かしてより素晴らしいストーリーにしてしまうところにジョン・ウーのすごさと当時の香港映画の柔軟性を感じる。
 殺し屋と歌姫の愛、そして殺し屋と刑事の絆。これだけでかなりお腹一杯なのにさらに三角関係まであったとしたら映画としても観客も消化しきれない。

 犯罪組織のボスに歌姫を人質に取られてのにらみ合い。
 刑事が殺し屋に「忘れるな、友達はいつも後ろにいる」と告げる辺りで泣いてしまう。
 ラストの銃撃戦が改修中の教会で繰り広げられるという舞台設定、砕け散るマリア像、飛び交う白い鳩。その後ジョン・ウーのトレードマークとして記号化されてしまった白い鳩だがこの作品では演出上有用な意味を持っている。
 暑苦しいのは嫌いだがジョン・ウーの暑苦しさは何故か好きだ。チョウ・ユンファやダニー・リーがうぉぉぉと叫ぶのも好きだ。

 ジョン・ウー作品ではこの『狼/男たちの挽歌・最終章』がオレとしてはベストだ。ちなみに『ハードボイルド/新・男たちの挽歌』もベスト。ベストなのに2本あるが気にするな。

 最初のDVDはカルチャー・パブリッシャーから発売されていたがこれが画質がかなり悪い。後にGeneonから発売されて画質はかなり改善されたのだが、かわりにカルチャー・パブリッシャー版に収録されていた日本語吹替音声がなくなってしまった。広東語音声もこもったようなすっきりしない音になっている。画質でプラス、音質でマイナス。
 現状で一番良い鑑賞方法はDVDプレイヤーを2台用意して、Geneon版の画面を再生しながらもう一台でカルチャー・パブリッシャー版の音声を流すことだろうか。
 そういえば國村隼が『ハードボイルド/新・男たちの挽歌』に出演したときにもらったんだっていってジョン・ウーのサイン入り『狼/男たちの挽歌・最終章』のレーザーディスクを薬丸に見せびらかしてたな。マスター次第だろうけどLDの画質・音質はどうなんだろうか。ラストの銃撃戦はやっぱ迫力のある良い音で観たいよなぁ。まあ今さらLDのハードやソフトに手を出す気はないんで、DVDはもう現行のままだろうから、ブルーレイディスクなりHDDVDでソフト化されるのを待つか。

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コメント (2)

ネスカフェ:

男たちの挽歌シリーズの影響で、チョウ・ヨンファの影に隠れがちなんですが、本作品にはダニー・リーが参加してますね。ダニー・リーといえば、香港映画界屈指のガンマニアなんですよね。たしか、「どんどんうちゃいいだろ」というような香港映画の世界に「リボルバーは6発」
など、リアリティを重視したガンアクションを取り入れたそうです。彼の主演した「聖戦」もかなり銃撃戦に気合の入った作品でした。

東森時音:

ネスカフェさんへ

『聖戦』はまだ観ていないんですよね。一度テレビで放映される予定があってその日を待ちかねていたのですが、その数日前にイスラム絡みの国際的事件があってタイトルのせいでかは分かりませんが放送中止になってしまいそれっきり縁がありません。残念な限り。

一時の香港映画はそれこそ無限弾倉でしたからね。東京マルイの電動ガンよりも弾が出てました。
ジョン・ウーも確かにその銃の装弾数以上に弾が出ていましたが演出上必要なシーンでは弾切れになっていましたし、おそらくカットとカットが変わっているその一瞬の間にリロードをしていると強引に解釈しています。
『男たちの挽歌2』でのケン(チョウ・ユンファ)対中野浩一似の殺し屋が向かい合っているシーンでケンのM92Fが弾切れでスライドにストップがかかっているところなどゾクゾク物です。

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