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『かってに改蔵 最終話:ずっと、いっしょだよ。』 オレだってたまには泣く、その5

『かってに改蔵 最終話:ずっと、いっしょだよ。』最終巻第26巻収録 久米田康治 少年サンデーコミックス

 サンデーを立ち読みしていて連載中の『かってに改蔵』を見つけ、毎週水曜日になるとコンビニで立ち読みしていた。そしてしばらくして、『かってに改蔵』目当てで少年サンデーを買うようになり、コミックスも新刊が出る度に買って揃えていった。
 そして作品は問題作とも言われる最終回を迎えた。

「妄想オチかよ」
「精神病院ネタかよ」
 といった具合で、サンデー掲載時の最終回はいかにもだなという感じで特に評価しなかった。
 そして少々日は流れ、最終巻26巻が発売された。さっそく買って帰ったオレは26巻だけではなく、第1巻から順に全26冊を読んでいった。
 そして、最終話『ずっと、いっしょだよ。』で泣いた。

 最終話までに語られてきたこと全てが妄想で、それによって改蔵と羽美は精神の安定を取り戻し社会復帰を遂げた。
 入院中にずっと自分が着たい服のイラストを描き続けていた羽美に、作中ではクラスメイトなどを演じていた看護婦がイラストに似た服を探してきて羽美にプレゼントする。
「今度こそ 本当に着れたね 羽美ちゃん。」
辺りから涙腺が刺激され始める。
部長の「2人に幸あれ」からウルウルし始め、ラストの砂浜を歩く改蔵と羽美。
「この海の向こうには
もっともっと大きな世界が広がっているんだ」
で泣く。

 最終話『ずっと、いっしょだよ。』だけ読んでもオレは泣けない。第1話からの積み重ねがあって始めて最終話で泣けるのだ。そのためには全26冊を読まねばいけないわけだが、これは本来のあり方だろう。どの時点でこの最終回にすると決定したのかはわからないが、ある一点を目指して積み上げていってそのように物語を構築した、絶対そうだとは言い切れないが緻密な計算に基づく『ずっと、いっしょだよ。』なのだ。

 単行本だとその後ろに『大蛇足』というおまけの1話が収録されていて、それが『ずっと、いっしょだよ。』の感動をぶち壊しにしていてそれがうれしい。おそらく、感動したままで終わらせてしまうことが久米田氏にとってこっ恥ずかしくてしょうがなく、照れ隠しの意味もあって書かれたのだろう。

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