
『リーサル・ウェポン』(1987) LETHAL WEAPON 110分 アメリカ 1987/06鑑賞
監督:リチャード・ドナー 製作:リチャード・ドナー、ジョエル・シルヴァー 脚本:シェーン・ブラック 撮影:スティーヴン・ゴールドブラット 音楽:マイケル・ケイメン、エリック・クラプトン
出演:メル・ギブソン、ダニー・グローヴァー、ゲイリー・ビューシイ、ミッチェル・ライアン、トム・アトキンス
しばらくの間、刑事映画を取り上げてみることにした。警察映画ではなく刑事映画、ここんとこ重要だ。
1本目は大ヒットしてシリーズも4本作られた『リーサル・ウェポン』シリーズの一作目。LETHALは致死的なといった意味だから、LETHAL WEAPONは必殺兵器とでもいったことろだろうが、公開当時マンガの『美味しんぼ』が流行っていたので、予告編では「究極兵器」などと書かれていた。そしてDVDの字幕だと「人間兵器」。もうどれが正しいのやら。ところで『美味しんぼ』ってまだ連載してるんだっけ?究極探しもいい加減にしろっての。
公開当時に観たときはリッグスことメル・ギブソンに感情移入していたのだが、今回観直してみるとその対象がマータフことダニー・グローヴァーになっていることに驚いた。50歳の誕生日を迎えた黒人刑事で、愛する妻と娘二人息子一人の家族を持ち、刑事という危険な仕事だがそれなりに安定していて、もう少し勤め上げれば恩給資格が手に入る。日々これ平穏という彼の人生に、ある日一人の若造が関わってくることになる。ベトナム戦争で活躍した白人だが交通事故で妻を失い生きる気力を無くしている。住処であるトレーラーハウスに一人ぼっちでいると寂しさに耐えきれずに銃を口に突っ込んで自殺を図ろうとする、そんな精神的に不安定な男である。今になってみると、このリッグスのウダウダした苦悩振りが鼻についてちょっとうっとおしい。
こんなメンタルヘルス男と相棒として組まなければならないマータフに同情。「ああもう、まいちゃったな」と始終戸惑い顔だが後半はさすがのベテラン振りを見せる。マータフだってベトナム戦争で戦ったのだ。
そしてマータフやその家族と接したことと、痲薬がらみの事件で、ただ暴れるだけではなく誰かのために戦うことでリッグスは大げさに言えば生きる意義、そして充実感を感じるようになる。リッグスにとってマータフは良き相棒であると同時に良き先輩だ。
監督のリチャード・ドナーは、あまりきちんと語られることの少ない人だが、どんな題材でもきちんとこなす職人監督的な部分だけではなく、作家性も意外に高い(と言ったら失礼だが)人である。
この作品のオープニングにしても、ロスの夜景を空撮で撮っていってついには物語の発端である高層マンションの一室を窓からうかがうまでの1カット長回になっている。そして、若い女性がビルから飛び降りるのだが、そこでは落下していく女性の視点からのカットが2つ使われていて、なかなか挑戦的な映像だ。
2~4までの続編も、ヒットしたから作ってみましたではなく、リッグスが次第に周りに人間に打ち解けていきついには妻と子供、そして友人を手に入れ、再び人生を始めるまでの過程が丁寧に描かれている。そして、もうこれで絶対に終わりだよと言わんばかりの4のエンドクレジットはちょっと泣ける。
拷問魔としてアル・レオンが出演しているのもうれしい。
『ダイ・ハード』、『ブラック・レイン』、『ゴースト・ハンターズ』に『エスケープ・フロム・LA』など名だたる作品に出演しているヒゲを生やし額がはげ上がった東洋人だ。
『ダイハード』でテロリストの一人として出演しチョコバーを盗み食いしていた奴と言えば分かるだろうか。個人的には『ビルとテッドの大冒険』のチンギス・ハン役がベスト。
コメント (4)
そういえぱ、1のときは、「リーサルウェポン」な
武器として登場したベレッタが2、3、4となるに
つれ、どんどん一般的になっているのが興味深かったですね。3じゃほとんどの警官は
持ってましたし。でも、リックスよりもマータフの
ほうが、あのリボルバーに加え、スミスアンド
ウェッソンのオートを携帯するようになって、
立派にリーサル・ウェポンと化してましたね。
同じメーカーの銃を使うというところに製作者のこだわりを感じました
しかし、俯瞰してみると、銃社会アメリカが警官や軍人の持つ銃も、ほとんどヨーロッパ製に
なってしまったというところにアメリカの工業の
衰退を目に見るようですね。
Posted by: ネスカフェ | 2005年07月19日 20:55
日時: : 2005年07月19日 20:55
せっかくオートを携帯するようになったのにロッカールームで落として暴発させてましたね。そう簡単に暴発するんでしょうか。
日本の警察官も時々「暴発事故発生」なんて新聞記事になってますが、
「弾倉が空だと思って引き金を引いたら弾丸が発射された」
とか寝ぼけたこと言ってる場合が多いですね。
そもそもそれは「暴発」ではなく「誤射」でしょうし、エアガンの説明書にだって「撃つとき以外は引き金に指をかけない。撃つとき以外は引き金を引かない。」とクドいぐらいに書いてあります。
拳銃ゴッコのノリで遊び半分に引き金を引いたら実は弾が入っててBANG!じゃないのかなと邪推しています。
でも、警察官でも人によってはその程度しか銃に関する意識が薄くても、銃で撃たれて殉職したり負傷する警官が少ない点では、まぁ日本は安全な国です。
もっとも、銃がなきゃないで他に方法はいくらでもあるわけですが。(こらこら)
Posted by: 東森時音 | 2005年07月23日 11:48
日時: : 2005年07月23日 11:48
昔、「子供にせがまれ」観ましたね。数ヵ月後にLDが発売され「子供にせがまれ」プレイヤーと盤を買わされました。いやー、これは面白いですね。笑いがあったりでハリーほど陰湿?でなくマクレーンほど超非現実?でなく何しろ明るくてベリーグッド。最近M・ギブスン出ませんがどうしたんでしょうか?。ところで確か「グーニーズ」もドナー監督?。テンポが早くキッズ物(そんなジャンルあるかな)では大人の私でさえ堪能したから先々月かなアニバーサリーDVDが出たらしいのにSOLD OUTでがっくり。東森様もひっくり返すのがお嫌いのようでね。私は一気観タイプでその時は携帯オフ、在宅でも固定は留守電ですよ。ピンポーンだって時にはオフです。一気観に限る。だから続きは来週にのブログがたまにありますが信じられない。
Posted by: オンリー・ザ・ロンリー | 2008年03月10日 23:56
日時: : 2008年03月10日 23:56
オンリー・ザ・ロンリーさん
最近のメル・ギブソンは監督など制作側での活動が中心ですね。2006年にはマヤ文明滅亡の頃を舞台にした『アポカリプト』を撮っています。密林でのマンハントなどアクションも多いのですが、インディオ軽視や宗教的メッセージが見え隠れして個人的にはあまり好きではありません。
映画は観始めたらそのまま最後まで一気に観たいですね。監督や編集はこのシーンはこの長さ、このカットは何コマまで考えて作っていますから(そうでないのもあるでしょうが)、それを一時停止にしたり早送りや巻き戻しは作品を観客がさらに編集すると言うことであまりやってはいけないことだと思うのです。おかげでスローにしないと確認できないような部分は、時間などをメモしておいて再生終了後にその時間に飛ばしてチェックしています。ビデオと違ってDVDだと作業はだいぶと楽ですけどね。
北野武の初期の作品、『3-4X10月』などのDVDはチャプターが入っておらず(来週引っ越しなのですでにDVDを梱包してしまって確認できませんが)、基本的に再生したらそのまま最後まで観るしかありません。武は自分で編集をしますし、「映画作りの中で編集が一番楽しい」と言っていたというあいまいな記憶がありますから、自分がこだわり抜いて完成させた映画を観客に再編集されるのが嫌だったのでしょう。
Posted by: 東森時音 | 2008年03月11日 00:18
日時: : 2008年03月11日 00:18