
『ガッチャ!』(1985) GOTCHA! 101分 アメリカ 1985/10鑑賞
監督:ジェフ・カニュー 製作:ポール・G・ヘンスラー 脚本:ダン・ゴードン、ポール・G・ヘンスラー 撮影:キング・バゴット 音楽:ビル・コンティ
出演:アンソニー・エドワーズ、リンダ・フィオレンティーノ、ニック・コッリ、アレックス・ロッコ、マーラ・アダムス
大学のキャンパス内でサバイバルゲーム好きな学生たちがゲームを楽しんでいる。サバイバルゲームといっても迷彩服を着て河原や人のいない山の中でチームに分かれて戦うのではなく、普段の服装で他の学生たちに紛れてペイント弾で戦うバトルロイヤルな一種の鬼ごっこめいたゲームだ。
主人公のジョナサンはゲームの名人。大きなゴミ箱に潜んで待ち伏せたり、車椅子の障害者に偽装したりして次々と対戦相手をやっつけ連戦連勝している。だが女の子をナンパしても「サバゲーオタクって最低」と失敗ばかり。そんな彼がヨーロッパ旅行の途中で知り合った謎の女性サーシャをベッドに連れ込むことに成功する。すっかり彼女にのぼせてしまったジョナサンは彼女を追いかけて東ベルリンに行くが、そのせいでスパイが暗躍する国家的陰謀に巻き込まれてしまうのだった。
粗筋だけ読むとスパイアクション物に思えるかも知れないが、実際には冴えない男の子が美人と出会い様々な出来事の中で成長する青春映画。・・・んー、ラストになってもあまり成長してないか。
主演のアンソニー・エドワーズが坊ちゃん風の頼りない大学生を好演している。その後『トップガン』で見たぐらいでどうしているのかなと思ったが、映画ではなくテレビムービーに活躍の場を移し、『ER』シリーズのメインキャストとして活躍しているらしい。
青春映画に興味のないわたしにとってこの作品で一番好きなのが、本物の銃を持った敵側工作員に自分の大学のキャンパスに追いつめられ、ついに武器を手にとって反撃に出るシーンだ。武器といっても動物を眠らせるための麻酔銃だが、そのおかげで普通の大学生である主人公が戦いながらも人を殺さずにすみシチュエーションが重くならない。あくまでも「サバイバル“ゲーム”」を貫くのが面白い。
ちなみにこの麻酔銃は前半に「いかにも」といった具合で登場し、「あー、これ絶対後で使うんだろうなぁ」と分かりやすい伏線が引かれている。アクションシーンとしてはそれほど見応えはないし時間も短いがまあよし。
東ベルリンでロシア人たちに追われるジョナサンがたまたま道ばたに車を止めていた三人組に助けを求めるが、これがなんとヘヴィメタロックバンド。そうか、東ドイツにもロックはあったか。空港まで車に乗せていってもらうことになるが、その最中のやり取りや検問所通過のシーンが笑える。
ペイント銃で弾を打ち出すために使っているのは炭酸ガスだそうだ。日本ではこいつは一般向けには許可されていないので、日本のトイガンメーカーは様々な工夫をしてきた。手動でコッキングして空気を圧縮するエアガンから、コッキングが不要になり連射も出来るようになったフロンガス利用のガスガン、そしてバッテリーを搭載して電気でモーターを回し空気を圧縮してBB弾を撃ち出す電動ガン。「電動ガンったっておもちゃでしょ」と思われるかもしれないが、これが外見もなかなかリアルで重量もずしりと重く、おもちゃはおもちゃでも一流品だ。様々な規制の中、日本のトイガンメーカーは工夫に工夫を重ねてこのクオリティまで積み上げてきたのだなとちょっと感激してしまう。逆に規制があったからこそ向上してきたのかも。とはいえ余分な規制はお断りだが。
タイトルである「ガッチャ! GOTCHA!」とはGOT YOU!を省略した口語。「お前をやっつけた」とか「お前を手に入れた」とかいったところか。
後に大学の映画サークルに入って『ガッチャ!』の話をしたところ、一人の先輩が「ガッチャ!とか言って相手を倒して女の子も手に入れるなんて許せない、許せませんですよ」となんか本気で怒っていた。そんなマジ怒りしなくてもと思ったが、まあいろいろあったのであろう。