
『おかしなおかしな石器人』(1981) CAVEMAN 92分 アメリカ 1981年鑑賞
監督:カール・ゴットリーブ 製作:ローレンス・ターマン、デヴィッド・フォスター 脚本:カール・ゴットリーブ、ルディ・デルカ 撮影:アラン・ヒューム 特撮:デイヴィッド・アレン 音楽:ラロ・シフリン
出演:リンゴ・スター、バーバラ・バック、ジョン・マツザク、シェリー・ロング、デニス・クエイド、ジャック・ギルフォード
ある動物園のレッサーパンダが二本足で立ったとニュースが流れた。
それだけならば単なる変わったニュースなのだが、その後全国の動物園から「ウチのレッサーパンダも立つ」「こっちだって立つ」との報告が上がってきた。これはひょっとしたらレッサーパンダというのは二足直立するのが当たり前で、パンダという名前に割にはタヌキかアライグマのような地味な外見のためこれまで見過ごされていたということだろうか。それならば良いのだが、実はレッサーパンダが次の段階へと進化を始めたのかもしれない。
二足直立で自由になった前足を手に進化させ道具を使い始めるに違いない。そしてある日一斉に人類に対して牙を剥く。繁栄の時を過ぎて衰退へと向かっていく人類に替わり、新しく地球を支配するのがレッサーパンダとは思わなかった。
人類が初めて二足直立をしたシーンがある作品がこの『おかしなおかしな石器人』だ。
力自慢で野蛮な族長に部族を追い出されてしまった主人公(元ビートルズのリンゴ・スター)が、荒野をさまよう内に同じく追放された友人に巡り会う。感激のあまり強く抱き合ったところ、リンゴ・スターの腰がボキボキッと音を立て真っ直ぐに伸びた。こうして人類はチンパンジーやゴリラのような前傾姿勢から直立歩行へと進化したのである。どうだ驚いただろうか、わたしは驚いた。
力はないが知恵はあるリンゴ・スターは直立歩行により自由になった手を使って、様々な道具を作り出していき、ついには火を手に入れる。仲間も増え、勢力を増すリンゴ・スター部族。ちょっと地味だが可愛らしい娘がリンゴ・スターに惚れてくれるのだが、リンゴ・スターは昔の部族にいたセクシー美人を忘れることが出来ず、ついには襲撃して彼女を拉致してしまう。当然、敵の族長は怒って反撃してくる。リンゴ・スターたちは木や石を組み合わせて武器を作り、凶暴な恐竜を馬代わりに使っての戦いに挑む・・・
人類が直立二足歩行を始めて次の段階へと進化し始めた時代を舞台にした「石器人映画」。原題のCAVEMANは穴居人のことだ。だが、ためになる学習映画を期待されては困る。まあ94%は嘘だと思ってもらってかまわない。そもそも人類が誕生した頃にはとっくに恐竜は滅びてるだろ。何故か突然氷河期な地域に入り込んで氷だらけの中を雪男(?)に追い回されるシーンもある。
まだ言葉が生まれる前の話なので登場人物たちは人名単語以外は「ガルグル」「ウララ」など意味不明なことしか口にしない。説明する字幕もないのだが、それでもストーリーがちゃんと分かるのが不思議。
テレビ放映されたときは日本語吹替になっていた。別に日本の声優が「ガルグル」「ウララ」って言ってるわけではなく、ケイブマン語が日本語に翻訳されている。しかしケイブマン語はおそらくしゃべっている俳優や監督にすら意味不明そうなので、翻訳と言うよりは創作と呼ぶべきではないだろうか。
リンゴ・スターの吹替を担当しているのが広川太一郎氏。コメディ系を吹き替えたときには、画面に映った俳優の口が閉じているところでもひたすらしゃべり続ける、アメリカ人だろうと香港人だろうと日本語のダジャレを言いまくるのが広川太一郎のスタイルだが、『おかしかおかしな石器人』でもそれは守られている。大きな骨で相手を殴ったが骨が折れてしまい「とんだ骨折りだ、これは」なんてネタがくだんねー、でも好き。
エンディングクレジットが始まって、オリジナルでは音楽が流れる中クレジットが上がっていくだけなのだが、吹替版では広川太一郎が割と延々しゃべっていて笑える。氏のダジャレは台本には書かれていなくて、広川太一郎がアドリブでやっているというのは本当だろうか?
現在発売されているDVDにはこの爆笑物の日本語吹替も収録されている。だが、一度はオリジナル音声版も観て欲しい。こっちはこっちで意味不明でいいぞ。
最初にも言ったが主人公は元ビートルズのドラマーであるリンゴ・スター。なんでこんな仕事を引き受けたんだといった声もあるが、日本のCMでやった「リンゴ・すった?」よりは3776倍ぐらいマシだろう。
リンゴ・スターの親友が、ヒゲだらけなのですぐには気付かなかったが若き日のデニス・クエイド。
SFXを担当したデイヴィッド・アレンによるモデル・アニメーションの恐竜たちが見事。思えば、当時はこの特撮目当てで観に行ったんだよな。ビートルズの名前は知っていてもリンゴ・スターまでは知らなかったし。
音楽担当がなにげにラロ・シフリンなのもポイント高し。
コメント (1)
リンゴこの後バーバラ・バックと一緒になったから今でもリンゴファンにとって大切な作品です。
Posted by: けん | 2008年02月24日 10:35
日時: : 2008年02月24日 10:35