『クラブ・ラインストーン 今夜は最高!』(1984) RHINESTONE 113分 アメリカ 1986/04鑑賞
監督:ボブ・クラーク 製作:ハワード・スミス、マーヴィン・ワース 製作総指揮:サンディ・ガリン、レイ・カッツ 原案:フィル・アルデン・ロビンソン 脚本:フィル・アルデン・ロビンソン、シルヴェスター・スタローン 撮影:ティモシー・ギャルファス 音楽:ドリー・パートン
出演:ドリー・パートン、シルヴェスター・スタローン、リチャード・ファーンズワース、ロン・リーブマン、ティム・トマーソン
ドリー・パートンはニューヨークのクラブ・ラインストーンで歌うカントリーソングのスター歌手。クラブとの契約を切ってフリーになりたいのだが、彼女に惚れているクラブのオーナーは彼女を手放そうとしない。そして彼女に対し、全くの素人を2週間で一人前の歌手に育てて彼女の代わりとすれば契約を破棄しようと無茶な賭けを挑んでくる。
そこでドリー・パートンは「最初に現れた人物を歌手にする」と宣言するが、そこへやってきたのはイタリア系のタクシー運転手シルヴェスター・スタローンだった。試しに歌わせてみるがこれがものすごい音痴。だが意地になったドリー・パートンはスタローンを歌手に育てることにする。
全く資質のない人物を育て上げるという点では『マイ・フェア・レディ』(1964)を思い起こさせる。もっともこの場合は男女の役割が入れ替わっているのが60年代と80年代の差だろうか。
ドリー・パートンは以前紹介した『テキサス1の赤いバラ』(1982)などに出演しているスター歌手。美人で当然歌も上手いし、それから胸もデカい。この作品では音楽も担当している。『テキサス1の赤いバラ』のバート・レイノルズや『クラブ・ラインストーン』のシルヴェスター・スタローンなど強面な俳優をすっかり手玉に取ってしまう女傑ぶりが楽しい。
特訓のためスタローンはアメリカ西部のテネシーに連れて行かれる。そこで登場するのがドリー・パートンの父親役のリチャード・ファーンズワース。この人は長年スタントマンとして活躍した人で、60歳を過ぎてから本格的に俳優として活躍し始めたというちょっと変わった経歴の持ち主だ。口ひげをたくわえた穏やかだか芯の部分でタフな老人役が多かった。『クラブ・ラインストーン』もファーンズワースの登場で深みが出ている。
スタローンにとっては初めての本格的なコメディで、時期的には『ランボー』『ロッキー3』と『ランボー 怒りの脱出』『ロッキー4』との間の作品となる。アクションやスポーツドラマだけではなくジャンルを広げようという試みがあったのだろう。
音痴なタクシー運転手が歌手にならされるというシチュエーションがまず可笑しいし、主演としてはドリー・パートンの方が比重が大きいためスタローンのアクが抑えめになっていてバランスの取れたコメディに仕上がっている。
90年代に入って人気が低迷したスタローンは路線変更とばかりに『オスカー』(1991)や『刑事ジョー ママにお手上げ』(1992)などのコメディに出演しているが、どちらも興行的に失敗しているはずだし、『刑事ジョー』は作品的にも大駄作だ。『オスカー』の方は個人的には好きで今度DVDが発売されるから買う予定だ。