
『星に想いを』(1994) I.Q. 96分 アメリカ
監督:フレッド・スケピシ 製作:キャロル・バウム、フレッド・スケピシ 脚本:アンディ・ブレックマン、マイケル・リーソン 撮影:イアン・ベイカー 音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:メグ・ライアン、ティム・ロビンス、ウォルター・マッソー、トニー・シャルーブ、チャールズ・ダーニング
ティム・ロビンスはSF好きな自動車整備工。その工場に一台の車が故障のため修理に訪れる。車に乗っていたのは近々結婚予定の女性数学者(メグ・ライアン)と心理学者だった。
数学者に一目惚れした整備工は、彼女が忘れていった懐中時計を届けに彼女の家を訪ねるが、ドアを開けて出てきたのはあの有名な物理学者アルバート・アインシュタイン(ウォルター・マッソー)だった。整備工を気に入ったアインシュタインとその仲間の3人の科学者は、数学者の恋人である心理学者のことを快く思っていないこともあって、整備工の恋の後押しをすることにする。
優秀な頭脳の持ち主と結婚すべきだと思い込んでいる数学者に合わせるため、整備工を物理の天才に仕上げることにする。科学者らしい服装から物理学の議論の仕方・内容まで教えて、これで数学者からのポイントアップかと思ったが、そこから話は勝手に進んでいってシンポジウムでの「低温核融合」に関する論文発表や公開知能テストを行うことになってしまう。
整備工はアメリカが誇る天才として新聞やニュースでも取り上げられるようになるが、数学者は「低温核融合」の論文を検証するうちに不可解な点に気付く。
そして、宇宙開発競争でロシアを出し抜くためにアイゼンハワー大統領まで登場してくるが・・・
女の子にモテない冴えない男をアメリカンフットボールで活躍させたり、服装や髪型などをピシッと決めた格好いい男にするという映画は昔からあるが、女の子の気を引くために物理学の天才を装うのは初めてではないだろうか。
実際、ガキの頃はスポーツが得意とか見た目が良いが優先され、勉強が出来ても女の子にモテることにはあまり関係がなかったように思う。まあ勉強できなかったけどさ。
当時、ラブコメの女王だったメグ・ライアンと、背が高いくせに童顔なティム・ロビンスの組み合わせは嫌みがない。ティム・ロビンス自身は監督作『ボブ・ロバーツ』(1992)や『デッドマン・ウォーキング』(1995)などを観るとどうやら意外に屈折した毒のある人物らしい。コメディ映画のヴァイキングから謎のテロリストまでと演技の幅は広い。
その主人公二人を食ってしまっているのが、アインシュタインを始めとする4人の老科学者たち。ウォルター・マッソーが上手い。整備工の恋を後押しするのも、彼を気に入ったが半分、残りの半分は単に面白いからではないだろうか。あっちゃこっちゃとうろつき回っては好き放題に楽しんでいる。いいなー、わたしもこんなジジイになりたいものだ。
大統領他の人たちが「整備工がプロポーズに来たんだな」と暖かく見守る中、数学者が抱きついたりキスをしたりする振りをして噛みついたり蹴飛ばしたりするシーンが面白い。この手のシーンはメグ・ライアンの本領発揮だ。
整備工が知能検査を受けるシーンで、5択式ペーパーテストはカンニングだったのだが、木のパズルを組み合わせるいくつもの問題は自力でスイスイ解いていたよな。まだ目覚めていないってだけでやはり天才なのか?
ラストはちょっと泣きが入ってきて、個人的に嫌だなーと思っていたが、それほどしつこくなくて良かった。
監督が『愛しのロクサーヌ』(1987)や『ミスター・ベースボール』(1992)などのフレッド・スケピシなんで、いつものごとく「毒にも薬にもならない」ような作品だ。観ても何も残らないが、観て不快さが残るということもないだろう。かなりこっぱずかしいシーンが多いのでどうもわたしは苦手だ。