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『マリリンとアインシュタイン』 マリリンっぽい人とアインシュタインっぽい人&その他

『マリリンとアインシュタイン』(1985) INSIGNIFICANCE 109分 イギリス

監督:ニコラス・ローグ 製作:ジェレミー・トーマス 脚本:テリー・ジョンソン 撮影:ピーター・ハナン 編集:トニー・ローソン 音楽:スタンリー・マイヤーズ
出演:テレサ・ラッセル、マイケル・エミル、ゲイリー・ビューシイ、トニー・カーティス

 限りなく「それアインシュタインだろ」という科学者や限りなく「それマリリン・モンロー」だろという女優が「無意味」な議論や会話を繰り広げる奇妙な映画。他には「それジョー・ディマジオだろ」な野球選手と「それマッカーシーだろ」という上院議員などが登場する。無意味というのはその議論や会話が役に立たないという意味ではなく、哲学的な不条理さゆえに実用的な意味が無く無意味ということ。
 科学者が練り上げた画期的な理論も、女優の世界的な人気も、名野球選手の輝かしい功績も、共産主義を駆逐しようと赤狩り先頭に立つ上院議員の意見も、それぞれ等しく意味がない。考えようによってはかなりヤバい思想に基づく映画だ。
 危ないなと思っていたら、やはりハリウッド映画ではなくイギリス映画だった。ハリウッド作品ではまだ赤狩りのことをちゃんと描いた映画はないしな。えっ?『マジェスティック』(2001)?なにを寝ぼけたこといってやがりますか。
監督が『地球に落ちてきた男』(1976)、『トラック29』(1987)だけあって幻想的なシーンも目立つが、個人的には“女優”が列車の模型と風船、そして懐中電灯の明かりを使って“科学者”に特殊相対性理論を解き明かすシーンが印象に残っている。
 野球選手役のゲイリー・ビューシイは割と好きな俳優の一人。ゲイリー・ビジーと記載される場合もある。『サンダー・ブラスト 地上最強の戦車』の主役とか『沈黙の戦艦』の悪海兵士官とかを演じている。あんまり出演する作品を選んでなさそうな無造作振りが良い。一時はドラッグ中毒で廃人寸前との噂も聞いたが、見事立ち直ったようだ。もっとも、最初っからドラッグ中毒にならない人の方が偉いんだが。
 上院議員役のトニー・カーティスは『チキチキマシーン猛レース』の元ネタである『グレートレース』(1965)や『パリで一緒に』(1963)の頃は笑うと歯がキラーンと光るタイプの二枚目だったのだが、年を取ると顔の造作が崩れたような不細工になってしまった。てっきり事故にでもあったのかと思ったがどうやらそうではなさそう。
 女優役のテレサ・ラッセルはニコラス・ローグの奥さんだそうな。

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