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『ホワイトナイツ/白夜』 踊れ、自由を求めて

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『ホワイトナイツ/白夜』(1985) WHITE NIGHTS 136分 アメリカ 1986/04鑑賞

監督:テイラー・ハックフォード 製作:テイラー・ハックフォード、ウィリアム・S・ギルモア 脚本:ジェームズ・ゴールドマン、エリック・ヒューズ 撮影:デヴィッド・ワトキン 編集:フレドリック・スタインカンプ、ウィリアム・スタインカンプ 音楽:ミシェル・コロンビエ
出演:ミハイル・バリシニコフ、グレゴリー・ハインズ、イザベラ・ロッセリーニ、イエジー・スコリモフスキー、ヘレン・ミレン

 当時流行っていた「ソビエト嫌い、ロシア嫌い」映画の一本。
戦争やスパイでなくダンスを絡めたところが目新しいが、監督が『愛と青春の旅立ち』のテイラー・ハックフォードだけに堅苦しくテンポに欠け退屈な仕上がり。
ミハイル・バリシニコフとグレゴリー・ハインズによるダンスシーンも、せっかく一流のダンサーが踊っているのにリズム感が感じられず、ストーリー上でもあまり生かされているとは言えない。

 ミハイル・バリシニコフが演ずるのはバリシニコフ自身と同じくロシアから亡命して現在は欧米で活躍しているダンサーだ。その彼を乗せたジャンボジェット機が故障し、運の悪いことにソビエト軍の基地に不時着してしまう。
この不時着のシーンで主翼が機にぶつかって折れるところなどとても良くできている。「このミニチュアはすごいな。スケール感が出ているしかなりリアルな仕上がりだ。部品が飛び散る時の速度など上手いもんだ」と思ったら、型落ちで使われなくなったジャンボジェット機を何万ドルかで買ってきて、実際に滑走路を走らせて機にぶつけて撮影したんだそうだ。そのまんま本物かよ。でも迫力があったのは確か。
 そしてソビエト当局に捕らえられたダンサーは監禁されてしまい、ベトナム戦争に反対してロシアに亡命した黒人ダンサーと共同生活をすることになる。
後は、二人のダンスシーンが延々続くと思ってもらえば間違いがない。脱走計画などもあるがそれはオマケだ。

 オープニングの劇場での踊りを始めミハイル・バリシニコフはさすがに素晴らしい。ダンスにはまるで興味がないわたしでも思わず見入ってしまった。
二人が一緒に同じ振り付けで踊るシーンではバリシニコフと比べてグレゴリー・ハインズは今一つ足がピシッと伸びきっていない。もっともグレゴリー・ハインズの専門はタップ・ダンスなのでクラッシックバレエを学んだバリシニコフにさほど遜色なく踊ることができるだけで充分すごい。

 ソビエトが崩壊してしまった今となっては、単にダンス映画として見るのがいいかもしれない。ただ、その場合はダンスシーンの演出が野暮ったさが気にかかる。全体に重苦しいのは作品のカラーから言っても仕方がないのだが。

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