『キング・アーサー』(2004) KING ARTHUR 126分 アメリカ 2005/03/28鑑賞
監督:アントワーン・フークア 製作:ジェリー・ブラッカイマー 製作総指揮:ネッド・ダウド、チャド・オマン、マイク・ステンソン 脚本:デヴィッド・フランゾーニ 撮影:スラヴォミール・イジャック 編集:コンラッド・バフ 音楽:ハンス・ジマー
出演:クライヴ・オーウェン、キーラ・ナイトレイ、ヨアン・グリフィズ、ステラン・スカルスガルド、スティーヴン・ディレイン
このところちょっと流行っていた歴史大作物もそろそろ終わりだろうか。なにより大作に必要な手間暇と工夫が感じられず、全体的に安っぽいというかインチキ臭くて、合戦のシーンは適当な衣装を着たオッちゃんたちがそこらの空き地で合戦ごっこして遊んでいるようにしか見えない。
ほら、よくあるでしょ大きな戦があった地でその記念日になると地元の人々が仮装してその戦いを再現するって奴。あのレベルにしか見えないのだ。
剣や槍の時代の戦いについてはピーター・ジャクソンが『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズで徹底してやってしまったため、あの後だと半端な合戦シーンはほんと見劣りがしてしまう。そこらの空き地だもんなぁ。
人間ドラマとしてはそれなり。巨大な権力を持ち主人公たちを支配するローマに対して、従うべきかそれとも独立を求めて戦うべきかというアーサーの苦悩が良く描かれている。どちらかというと線の細いクライヴ・オーウェンも従来の自信に満ちあふれ力強いアーサーではなくローマとブリテンとの間で苦しみ揺れ動く青年には適役だ。
だけど、イヤだイヤだイヤだイヤだ、こんな奴はわたしのアーサー王じゃないやい。
アーサー王だっていうのなら、湖の精霊から聖剣エクスカリバーを授けられたり、役に立つんだか立たないんだかよく分からない聖杯を探すのに必死になったり、親友の騎士ランスロットルにカミさんを寝取られてしまったり、最後には殺人の罪で警察に逮捕されたりする、そんな立派だかどうだかよく分からない男じゃなきゃイヤだ。時にはアッシュと一緒に死霊と戦ってこそアーサー王じゃないのか?
いっそのこと歴史“大作”ではなく“史劇”としてじっくり作り込めばよさそうなものだが、なぜか意味不明なアマゾネス軍団(アマゾンにいるわけじゃないから正確にはアマゾネスじゃないが。右乳もあるしな)を登場させたりとウケを狙っているのかどうか理解に苦しむシーンもある。
すでに神話と化しているアーサー王伝説を、現在分かっている範囲で現実の物として描いているのだが、そもそもわたしもそうだがあまり日本人にはアーサー王伝説に親しみがないためにインパクトが薄いのかも知れない。
ちなみに、わたしにとってアーサー王に関する知識の原点は子供の頃に見たアニメ『円卓の騎士物語 燃えろアーサー』である。
このアニメは日本製で、物語の後半になるとアーサーが国王のくせに無責任にも国や家臣を放ったらかしにして唐突に城を飛び出し、水戸黄門のように身を隠したまま世直しの旅を始める。ただでさえ史実から比べて神話寄りになっているアーサー王伝説を、もはやオリジナルとは関係のないエンターテイメントにしてしまった快作である。
・・・・・・・・・こいつはイギリスをはじめとするヨーロッパでも放映されたのだろうか?