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『下妻物語』 ビバ、ジャスコ!

『下妻物語』(2004) 102分

監督:中島哲也 プロデューサー:石田雄治、平野隆、小椋悟 企画:宮下昌幸、濱名一哉 原作:嶽本野ばら 脚本:中島哲也 撮影:阿藤正一 美術:桑島十和子 編集:遠山千秋 音楽:菅野よう子 照明:木村太朗
出演:深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、岡田義徳、本田博太郎、樹木希林

 わたしの知人が「人から面白いよと勧められたんだけど、一人で観てもしクソだったら対処に困るんで一緒に観てくれ」と持ってきたのがこの『下妻物語』である。
えー?マジっすかー、じゃあこっちも『キューティーハニー』(2004)が怖くて観れないままになっているんで、交換条件としてそっちも一緒に観てくれってことでOKした。

 結論から言うと面白かった。
僕はCM出身ですと言わんばかりのいかにもな映像にはひたすらうんざりしたが、それを割り引いても主人公の二人の少女やその周りのちょっと奇妙な人々が繰り広げる物語が楽しい。セリフが多い映画だが、基本的に登場人物の行動によって進んでいくところが良い。日本映画はぐだぐだとセリフを並べ立てるだけでなかなか話が広がっていかない傾向があるが、人の行動(アクション)で展開させるというのはやはり重要である。。
だがしかし、ラスト近くでさてどうなるのかと思っていたら、自分という世界に篭もっていた少女桃子が他人に自らをさらけ出すことでお互いに理解し合い危機を乗り切ってしまった。これは観客の大多数が最も望む結末ではあるのだろうけれども、あまりにもこれまでのいわゆるスポコン的ドラマ作りの枠内に収まってはいまいか。
雨の中絶叫して抱き合ったり、殴り合ったあげくに「お前もなかなかやるな」と友情で結ばれるなどという汗くさい世界はあまりオタク的ではない。そして桃子はアニメやコミックこそ見ていないがゴシックロリータファッションが好きなオタクな少女だったはずだ。それがラストになっていきなり「ヤンキー的側面も持ってるんだぞ、おらおら~」と言われても、確かにヤクザを父に持つ関西生まれという設定はあるが少々しらけてしまう。オタクがオタクのままでヤンキーと友達になったり、他の人と楽しい人間関係を築くといった展開にはできなかったのだろうか。
 詰まるところ、オタク否定映画の域を脱していなかったなというのが感想である。別の肯定しろとも思わないが、世界に名だたるオタク大国日本でいまだにちゃんとオタクをエンターテインメントにした作品があまりないのは何故だろうか。『七人のおたく』じゃあなあ。『ギャラクシー・クエスト』(1999)とまでは言わないが物語はいかようにも作れると思う。
ロリータファッションブランドの社長や桃子の祖母である樹木希林など脇役も良かったので残念。
劇中でジャスコが何度も「田舎、ださい」の代名詞として登場するが、ちゃんとその名がエンドロールの協力企業に含まれている。これにOKを出したジャスコ側はなかなか洒落が分かってるじゃないか。

 そうそう、『キューティーハニー』は下着姿で街中を走り回るハニーがコンビニで飯を調達して変身するところまでは見ましたが、そこでお互いに「これは耐えられない」ということになって電源をオフにしました。始まっておよそ3分ほど。
もしかしたらそこを我慢すればメチャメチャ面白くなるのかも知れませんが、まあどうでもいいや。というか、どう考えても面白くなるとは考えられない。わたしはてっきり『月曜ドラマランド』かと思ったよ。

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