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『トルク』 全員揃って免停だ

『トルク』(2003) TORQUE 84分 アメリカ 2005/03/21レンタルDVDにて鑑賞

監督:ジョセフ・カーン 製作:ブラッド・ラフ、ニール・H・モリッツ 製作総指揮:ブルース・バーマン、マイケル・I・ラックミル 脚本:マット・ジョンソン 撮影:ピーター・レヴィ 音楽:トレヴァー・ラビン
出演:マーティン・ヘンダーソン、アイス・キューブ、モネット・メイザー、ジェイ・ヘルナンデス、マックス・ビースレイ

 自動車によるカースタントがメインの映画は数多くあるが、バイクスタントは案外と珍しい。
あまり登場しない理由はフルフェイスヘルメットで運転するとあまりにもスタントだと丸分かりだし、だからといって『ペイ・チェック』のベン・アフレックみたいにジェットタイプヘルメットだと「オバさんが原付乗ってんのか?」てなことになってしまうからだろう。じゃあノーヘルで行くかというと今度は撮影時のスタントの安全性や観客への悪影響が心配だ。・・・ハーフヘルメットぉ?あんなものは論外だ、田舎のヤンキーじゃないんだから。

 予告編が面白そうだったのでわりと期待してみたのだが、なんというか頭の悪そうな連中が頭の悪そうな事件を起こすといった内容で、麻薬取引の冤罪を着せられる主人公やバイクの整備工場を経営するヒロイン、悪党に弟を殺されてしまうアイス・キューブなどの登場人物の誰にも感情移入することができなかった。そろいも揃って交通ルールを無視しまくっているのは映画の展開上仕方ないのだが、こいつらどう見ても30歳過ぎだろうに未だに暴走族をやっていてどうしようというのだろうか?さすがのわたしも「お前ら、少しは将来のこと考えろよ」と言いたくなってしまう。事件が終わった後、こいつらはちゃんと免停になったのだろうか。いや、そもそも運転免許を持っているかが怪しい。
アメリカの暴走族だとロジャー・コーマンの映画などでヘルズ・エンジェルが有名だが、あちらはアメリカンタイプのバイクで集団で群れて走る暴走族で、この映画のはヨーロピアンタイプのバイクで突っ走る走りやタイプの暴走族だ。ただ、舞台はカリフォルニア近辺のようなので、真っ直ぐな道がひたすら続くだけでカーブなどは少なく、あまりドライビングテクニックは必要ないんじゃないだろうか。
 FBIの捜査官が出てきた途端に「あっ、こいつは裏で悪投と通じてるな」と一瞬で分かるなどストーリー的に面白みは少ないが、バイクのスタントは売りにするだけのことはある。自動車同士のゼロヨンを後方からバイクが猛スピードで追い越していくオープニングが笑える。
わたしが一番燃えたのが、ヒロインと敵の女性によるバイクの格闘戦。それぞれペプシとマウンテンデューの看板を背負って登場し、巧みにバイクを操ってタイヤなどで相手を攻撃する。無茶だが格好いい。
それに比べると、ただスピードを競うだけの主人公と敵役の対決は工夫がないし、あまりにも映像がビデオゲームそのままだ。ナムコのリッジレーサー部門に発注した方がリアリティのある映像が出来たのではないだろうか。化け物バイクも、なんだそりゃというのが感想。いかにもミュージックビデオ出身という作風だがまあそれはいいや。

 アイス・キューブの愛銃としてまだまだスクリーンでは珍しいイスラエル製の拳銃“ジェリコ”が登場する。これでもかぁと言わんばかりのアップで、同じIMIのデザート・イーグルに似たフォルムが印象的だ。
うむむ、『ワイルドスピード』の車をバイクに置き換えただけかと思ったら製作が同じニール・H・モリッツだった。四輪、二輪と来たから次回作は一輪車だろうか?

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