クリント・イーストウッド監督作品の『ミリオンダラー・ベイビー』がアカデミー賞で作品賞と監督賞を受賞した。
日本公開は6月の予定なのでまだ観ていないがもちろん最初っから傑作と決まっている。
残念ながらイーストウッドの主演男優賞は逃してしまった。まだまだ元気で監督や俳優として活躍してくれるだろうが、それでも年齢を考えるとそろそろ主演男優賞を贈っておいた方がいいのではないだろうか。なんといってもすでに75歳と普通の人ならとっくにリタイヤしている年齢だ。
しかも今回の主演男優賞を受賞した『Ray/レイ』のジェイミー・フォックスは作品紹介で少しその演技を見たが、確かにレイ・チャールズの仕草や口調にとても似ているが濃すぎて好みじゃない。だったら美川憲一の伝記映画で主役を演じたコロッケにも日本アカデミー賞を与えるのだろうか。まあ、日本アカデミー賞なんてのはため池のミジンコよりもどうでもいいのだが。
授賞式でのイーストウッドは白髪の残りがかなり少なくなっていたが相変わらず元気そうで、モーガン・フリーマン共々ジジイパワーが炸裂していた。
ちなみに『ミリオンダラー・ベイビー』は音楽もイーストウッドが担当している。『センチメンタル・アドベンチャー』ではカントリーシンガーを演じていたし、『シークレット・サービス』ではピアノを披露していた。そうそう音楽ドキュメンタリー映画の『ピアノ・ブルース』では当のレイ・チャールズとセッションまでしていた。不器用そうに見えて案外多芸な人だ。
ハリウッド映画におけるイーストウッドの存在はある意味ほかの誰よりも大きい。カーメル市の市長を二年だったかやっていたが、本格的に政治の道に進まず映画界に残ってくれて良かった。これで州知事ないし上院議員から大統領コースに行っていたら90年代以降のイーストウッド映画はなかったのだ。ということは『許されざる者』(1992)も『スペース・カウボーイ』(2000)も存在しなかったことになる。これではあまりにも悲しい。