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『IN DREAMS/殺意の森』 もうリンゴなんか食べない

『IN DREAMS/殺意の森』(1989) IN DREAMS アメリカ 100分 2005/02/18レンタルDVDにて鑑賞

監督:ニール・ジョーダン 製作:スティーヴン・ウーリー 原作:バリ・ウッド 脚本:ニール・ジョーダン、ブルース・ロビンソン 撮影:ダリウス・コンジ 編集:トニー・ローソン 音楽:エリオット・ゴールデンサール
出演:アネット・ベニング、エイダン・クイン、ロバート・ダウニー・Jr.、スティーヴン・レイ、ポール・ギルフォイル

 未来や過去を夢に見る特殊能力を持った女性が、連続少女誘拐殺人に巻き込まれていく。
 といった粗筋をDVDパッケージで読んだときには、サム・ライミの『ギフト』(2000)を思わせたが、かなり重苦しい雰囲気だった『ギフト』と比べてもさらに重苦しかった。
 観終わった後には胃袋にずしりと重いしこりが残こり、しくりしくりと痛みを発し続けた。そのせいで夕食の箸が進まなかった。
 『イン ドリームス』を毎日毎日観続ければダイエットになるやもしれん。痩せる前に胃袋に穴が開くかも知れないが。

 主人公の女性が自分の娘が誘拐されることを予知していたり、殺人犯の過去を夢に見てしまうのは超常現象を扱ったサイコ・サスペンスに分類されるだろう。
 だが、そういったサスペンス的要素よりも、望むと望まぬに関わらず眠りに落ちる度に狂気に満ちたシーンを見せられ続け、送られてくる殺人鬼の思考で頭が満たされていき、もはやどれが現実でどれが夢なのか分からなっていく“悪夢”の存在がこの映画の肝だろう。
 こうして言葉にしてしまうとありきたりに感じてしまうが、ニール・ジョーダンならではの映像美は決してやりすぎることない節度を持っている。
 ただショッキングな映像で観客を驚かせるのではなく、一つずつ主人公の居場所を奪っていくことで観る側の逃げ場もなくなっていく。
 繰り返し挿入されるリンゴのイメージや歌の歌詞が不気味で、後半になって実体を持った殺人鬼が登場することでかえってほっとしてしまったほどだ。
 もちろんそこには観客に理解しやすいストーリーというハリウッド映画の束縛もあるわけだが。

 アネット・ベニングの統合失調症めいた演技が「わたしって演技上手いでしょ」といわんばかりで少々退屈ではあるが、確かに上手ではあって観ていて精神的に負荷が大きくつらい。

 ダムの底に沈んだ村など設定や小道具が面白いが、ストーリーとしては特に目新しい点はない。キーワードである映像にしても悪夢の中には際立ててショッキングな物は少なく、むしろ現実のシーンにおける車でのダイビングやトレーラーによる連続追突事故、橋からの落下などの方が派手だ。ここら辺のVFXはドリーム・ワークス製作だけのことがある。

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