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『追跡者』 銃はグロックにしろ。

『追跡者』(1998) U.S. MARSHALS アメリカ 131分 1998/06/18鑑賞

監督:スチュアート・ベアード 製作:アーノルド・コペルソン、アン・コペルソン 製作総指揮:キース・バリッシュ、ロイ・ハギンズ 脚本:ジョン・ポーグ 撮影:アンジェイ・バートコウィアク 編集:テリー・ローリングス 音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:トミー・リー・ジョーンズ、ウェズリー・スナイプス、ロバート・ダウニー・Jr、ジョー・パントリアーノ、ダニエル・ローバック

『逃亡者』(1993)で主人公リチャード・キンブルを執拗に追いつめたサミュエル・ジェラード捜査官。そのジェラード捜査官とその部下たちを主人公にしたスピンオフ作品がこの『追跡者』だ。どうにも野暮ったい印象のぬぐえない『逃亡者』よりも『追跡者』の方がシャープで好みだ。
元CIA工作員のウェズリー・スナイプスが逃亡し姿を隠していた理由や黒幕の正体などストーリーの核となる部分に幾分の無理があるがそれは『逃亡者』も同じだし、何よりもウェズリー・スナイプス側のことは案外どうでも良くて重要なのはジェラード捜査官の格好良さだ。しぶとくタフで、食らいついたら逃がさない。しびれるねぇ。登場シーンはビッグバードもどきなチキンの着ぐるみだが。

アメリカの司法制度はとにかくややこしくて、ジェラード捜査官のことは最初FBIだと思っていたのだがそうではない。タイトルにもある“U.S. MARSHAL”とは連邦執行官のこと。所属は連邦裁判所になるそうだ。裁判所の職員に捜査権があるというのは日本人から見るとおかしな感じだが郡保安官と同じ権限があるんだそうな。それでシェリフ(Sheriff)もマーシャル(Marshal)も訳すと保安官なのか。地元警察にFBIにDEAにATFにNSAにMIB、さらには連邦執行官か。それぞれ微妙に管轄範囲が重なってるから縄張り争いが映画や小説のネタになるのもわかる。『イレイザー』(1996)のシュワルツェネッガーも連邦執行官だったな、そういえば。
ちなみにFBIが連邦捜査局、DEAは麻薬取締局、ATFがアルコール・たばこ・火器取締局、NSAが国家安全保障局。MIBはメン・イン・ブラックなので実在はしていない、多分。

ジェラード捜査官と共に主演を張っていると言って良いのが携帯している拳銃の“グロック”
オーストリアの新興銃器メーカーが発売したこのセミオートマチックピストルは、フレームなど主要部品に樹脂(ポリマー)を使用しており、またマニュアルセイフティを廃した画期的セイフティシステムなどで一躍人気モデルになったもの。
しかし、直線で構成された実用一点張りな角張ったデザインが、『ダイ・ハード』のジョン・マクレーンや『リーサル・ウェポン』のマーティン・リッグスが持つベレッタM92Fなどと比べて面白味に欠けるためか主人公の持つ銃としてはなかなかスクリーンに登場しなかった。わたしは常時携帯して必要になったらすぐ撃てる拳銃としてグロックはかなり良さそうだと思うんだが。確かに、壁に飾ってインテリア代わりにする銃ではないが、あの飾りっ気の無さが好きだ。
『追跡者』ではそのグロックが大活躍をする。
まずは、一緒に捜査をすることになったロバート・ダウニー・Jrが所持していたクロームメッキの拳銃(おそらくタウルス)を、「銀ピカは駄目だ。黒いのにしろ、グロックが良いぞ」とけなし、映画のラスト近くでは「グロックは良いぞ。水や砂まみれになっても使える」とベタ褒め。
宣伝のためにグロック社が金を出したという噂を聞いたことがあるが、『逃亡者』(1993)ですでにジェラード捜査官はグロックを使っておりちょっと勘ぐりすぎだろう。脚本家が大のグロックファンだった辺りが正解じゃないだろうか。
『ダイ・ハード2』ではワシントン空港に忍び込んだテロリストが所持しており、マクレーンが「この銃はX線にも映らないし、あんたの給料じゃ買えないぐらいの代物だ」とか言ってるが、スライドなど金属部分も多いのでX線にちゃんと映るし、15連発程度の同クラスの拳銃の中では安い方らしいので、あの映画で言ってることは信じちゃ駄目だ。もっとも“グロック7”と存在しない型番で呼んでいたのでグロックをモデルにした架空の銃という設定なのかも知れないが。
保安官ではあるが分類は刑事映画でいいだろう。

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